歴史塗り替えた金 杉村英孝「さらにボッチャの知名度を上げたいという気持ちでいた」 2日から団体戦

[ 2021年9月1日 20:35 ]

東京パラリンピック第9日 ボッチャ個人(脳性まひBC2)   杉村英孝5-0ワッチャラポン ( 2021年9月1日    有明体操競技場 )

<ボッチャ 脳性まひBC2 決勝> 金メダルを獲得し記念撮影に納まる杉村(左から3人目) (撮影・光山 貴大)
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 ボッチャ個人(脳性まひBC2)決勝が1日行われ、杉村英孝(39=伊豆介護センター)は、16年リオ王者で大会連覇を狙ったワッチャラポン・ウォンサ(タイ)を5─0で下し、金メダルを獲得した。ボッチャ個人種目では日本勢では初のメダル獲得となった。

 第1エンドを2─0としてリードを奪うと、第2エンドも劣勢を第5投で相手の球を押してジャックボール(目標球)に自分の球を近づけるショットで1点を重ねる。第3エンドもさらにリードを広げる1点を追加。最終エンドも大量得点が必要な相手に、冷静な試合運びで、ほぼミスもなく、1点を追加する完勝だった。

 杉村は「すごく重みを感じます。この大会を通して、目の前の試合を一戦、一戦、戦うことを心掛けて戦いましたが、こういう結果につながってうれしく思います」と話した。「ボッチャの競技を初めて20年近くになるんですけど、素晴らしい舞台に立って、金メダリスト、優勝することができたこと、ちょっと自分自身もビックリしているんですけど、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔をのぞかせた。

 ボッチャでは個人として日本選手初の金メダル。ボッチャの未来について問われると「前回のリオ大会でチームで銀メダルを獲って、それ以降、本当にボッチャが日本全国に広がって知名度は上がってきましたが、そこで終わりにしちゃいけないと思ったし、東京大会でしっかり結果を残して、さらにボッチャの知名度を上げたいという気持ちでいましたので、個人としてもこういう結果をとることができてうれしく思っています」とした。

 2日からは団体戦が始まる。「しっかり気持ちも切り替えて、チームのメンバーと一緒に一丸となって、目の前の試合を戦っていきたい」と先を見据えた。

 ◇杉村 英孝(すぎむら・ひでたか)1982年(昭57)3月1日、静岡県伊東市出身の39歳。先天性の脳性まひで、静岡市内の特別支援学校に通い、高等部3年の01年に先生の勧めでボッチャを始める。パラリンピックは12年ロンドン大会に初出場し、16年リオデジャネイロ大会の団体戦で、日本勢初メダルの銀メダルを獲得した。日本選手権は5度優勝。好きなスポーツはサッカー。夢はクラスや障がいの有無などを問わない「ボッチャ無差別級大会」の開催。伊豆介護センター所属。

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