大坂なおみ「完璧主義はやめた」 全米OP連覇へ6年連続初戦突破

[ 2021年9月1日 05:30 ]

全米オープン第1日 ( 2021年8月30日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

女子シングルス1回戦で勝利し、観客に手を振る大坂なおみ=ニューヨーク(AP)
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 今季4大大会最終戦が開幕し、女子シングルス1回戦で2年連続3度目の優勝を狙う世界ランキング3位の大坂なおみ(23=日清食品)は同87位のマリエ・ブズコバ(23=チェコ)を6―4、6―1で退け、6年連続で初戦を突破した。2万人を超える観衆を集めたセンターコートのナイトセッション第1試合で連覇へ好発進。2回戦は同145位のオルガ・ダニロビッチ(20=セルビア)と対戦する。

 2万人超の観衆が詰めかけたセンターコート。大歓声の後押しを受けて躍動した大坂は「選手としてファンを楽しませたい。本物の声援を聞けたのは夢のようだった。観客がプレーのたびに反応してくれるのはやっぱりいい。エネルギーを感じることができて良かった」と感慨深げだった。試合後には客席の少女に東京五輪のピンバッジをプレゼント。元ボクシング世界王者マイク・タイソン氏ら多くの著名人も観戦した注目の一戦で、連覇へ好発進した。

 勝負どころでギアを上げた。自身サービスの第1セット第3ゲームを0―40からキープするなど8度ブレークポイントを握られながら一度もブレークを許さなかった。凡ミスは相手の8を大きく上回る23回。「4大大会の初戦はいつも緊張する」と第1セットは波に乗れなかったが「最後は緊張よりも楽しみが勝った」と第2セットは積極的なプレーを取り戻した。最速190キロ超の強烈なサーブや角度のあるショットで主導権を握った。

 ミスしても感情的にならず、即座に次のプレーに切り替えた。3年前の全米オープンで4大大会初制覇後は重圧からうつに悩まされたが、父親の出身地ハイチでの地震や、アフガニスタン情勢を受け「朝起きるだけで勝利」と究極のプラス思考へシフト。「完璧主義者だから多くを求めてしまうことがあるが、その考え方はやめた。とにかく試合を楽しみたい。いいプレーをすれば勝っても負けてもいいと考えていた。完璧じゃなくても勝てたことがうれしい」と振り返った。東京五輪、全米の前哨戦で3回戦敗退と不本意な結果が続いていたが、得意のハードコートのグランドスラムでは15連勝。精神的に安定している現状を維持できれば、連覇への道はおのずと開けてくる。

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2021年9月1日のニュース