高橋彩華 黄金世代10人目ツアー初Vへ1差2位浮上 最終日最終組で萌寧と「同門対決」

[ 2021年8月22日 05:30 ]

女子ゴルフツアー CATレディース第2日 ( 2021年8月21日    神奈川県 大箱根CC=6638ヤード、パー72 )

18番、アプローチショットを放つ高橋(撮影・村上 大輔)
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 首位に3打差の5位から出た高橋彩華(23=東芝)がこの日のベストスコア67をマークし、首位に1打差の通算9アンダー、2位に浮上。黄金世代10人目となるツアー初優勝へ好機を迎えた。今季7勝目を目指す東京五輪銀メダルの稲見萌寧(22=都築電気)が69で回り、通算10アンダーで首位を死守。最終日は同じ奥嶋誠昭コーチ(41)に師事する2人が最終組で優勝を争うことになった。

 東京五輪で銀メダルを獲得した“時の人”稲見の背中がすぐそこにある。首位とは1打差。逆転Vへ絶好の位置だが、高橋の表情は厳しいまま。過去の反省から揺れる心を懸命に抑え込もうとしている。「もう全然自分には期待してないです。何回も失敗して特に何も思わなくなりました」と自虐的に笑った。

 22日は自身8度目の最終日最終組。しかも同じ最終組には稲見のほかに吉田もいる。稲見には4月のヤマハ・レディース葛城で逆転を許し、吉田には3週前の楽天スーパー・レディースでプロ初優勝を許した。嫌でもよみがえってくる過去の痛い記憶。しかし、高橋も漫然とV逸を繰り返してきたわけではない。直近2度の最終日最終組ではいずれも70とアンダーパーでラウンド。「心も体もコントロールできるようにはなっているんで」と悲願の初Vへ前進を続けてきた。

 「ピンにつけ合いになるのかな。倒せたらうれしい」という打倒稲見へ最大の武器となるのは、その稲見の最大の長所でもあるショットの精度。東京五輪で世界屈指のショットメーカーであることを証明した稲見の今季のパーオン率は74・5201%で国内ツアー2位。この部門でただ一人、稲見の上を行くのが75・0381%の高橋だ。今大会でも36ホール中30度パーオンを果たした稲見に対して高橋は31度。この日の8番では残り110ヤードの第2打をPWで10センチにつけ、OKバーディーを奪っている。

 「優勝するためには優勝争いをしないと。優勝できるまで何度もトライしていきたい」。かつてイップスも経験した課題のパットも5番で4メートルのパーパットを沈めるなど安定。勝機は十分にある。

 ◇高橋 彩華(たかはし・さやか)1998年(平10)7月24日生まれ、新潟県出身の23歳。10歳でゴルフを始める。新潟・開志国際高3年だった16年日本女子アマチュア選手権で初の日本タイトルを獲得し、ナショナルチーム入り。18年7月にプロテスト合格。2度目の挑戦だった。翌19年に賞金ランク19位で初の賞金シード獲得。日本ウェルネススポーツ大在学中。1メートル62、55キロ。血液型A。

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