池江「ああ、生きててよかった」日本新のち誕生日サプライズ祝福

[ 2021年7月5日 05:30 ]

競泳サマーチャレンジ記録会最終日 ( 2021年7月4日    さがみはらグリーンプール )

前日に続き女子200メートルリレーで日本新記録を出し、ガッツポーズの池江(撮影・光山 貴大)
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 白血病から復活して東京五輪代表入りした競泳女子の池江璃花子(21=ルネサンス)は4日、非五輪種目の200メートルリレーに五十嵐千尋(26=T&G)、酒井夏海(20=東洋大)、大本里佳(24=ANAイトマン)と組んで出場し、1分39秒67の日本新記録を出した。前日に同じメンバーで出した日本記録を0秒15更新。この日、誕生日を迎えた池江は五輪前最後のレースを完了し、最高の形で21歳をスタートさせた。

 思わず涙があふれた。日本新記録の1分39秒67を確認した池江に、サプライズが待っていた。電光掲示板に誕生日を祝福するメッセージが映り、場内にはハッピーバースデーの音楽が流れた。温かい拍手をもらうと、目頭が熱くなった。「日本一か世界一か分からないですけど、本当に幸せなスイマーだなと心から思います」と実感を込めた。

 21歳の初戦は、東京五輪前最後のレース。今回は非五輪種目だが、午前に行われる400メートルリレーの決勝想定で午前10時44分から始まった。自然と気持ちが入り、前日にはなかった緊張感が体を包む。第2泳者池江の50メートルの引き継ぎタイムは前日より0秒11速い24秒71で、連日の日本新に貢献。調整の難しい午前決勝を体感し「良いリハーサルになった」と収穫を語った。

 白血病を克服し、東京五輪を間近に控える。池江本人すらも想像できない未来だ。入院中だった19歳は「凄いつらい誕生日」。「今まで一番充実していた」という20歳で競技復帰を果たし、2度目の五輪出場にこぎつけた。「毎回違った雰囲気で誕生日を迎え、よく頑張ってきたなという気持ちになる。ああ、生きてて良かったと素直に思う」。五輪本番が近づき、本音が漏れた。

 16年リオデジャネイロ大会に続く2度目の五輪ではリレー3種目に出る可能性があり、競泳初日の24日に女子400メートルリレー予選を泳ぐ予定だ。「まずは日本記録で決勝に残るのが第1段階。決勝に進んだら、予選で出した記録を更新するために全力で泳ぐ。泳ぐこと自体、試合に出ること自体が楽しみ」と心待ちにしている。

 21歳の誕生日、池江は決意を語った。「負けるのは今年まで、と決めている。22歳になったときに誰にも負けないような強い選手になれるように。21歳はいろんな経験を日本代表でして、来年やこれからの競技人生につなげていければ」。新たな挑戦は、東京五輪から始まる。

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2021年7月5日のニュース