男子バスケでスロベニアが五輪初出場 ドンチッチが決勝でトリプルダブル チェコも初の五輪

[ 2021年7月5日 09:45 ]

スロベニアを初の五輪出場に導いたマーベリクスのドンチッチ(AP=資料)
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 4カ国で開催されていた男子バスケットボールの五輪最終予選は5日に各国で決勝を行ったが、リトアニア大会ではスロベニアが地元のリトアニアを96―85(前半52―52)で下し、旧ユーゴスラビアから独立(1991年)して以来、初めての五輪出場を決めた。

 決勝ではNBAマーベリクスをけん引している201センチのポイントガード、ルカ・ドンチッチ(22)が34分の出場で31得点、11リバウンド、13アシストでトリプルダブルを達成。ドンチッチは最終予選4試合で21・3得点、8・0リバウンド、11・3アシストをマークして大会MVPにも選出された。

 スロベニアは東京五輪の予選リーグでは日本と同じC組に入るが、この組には2019年W杯中国大会の決勝で対戦したスペインとアルゼンチンも同居。日本は欧州、南米のトップチームとの3試合となり、スロベニア戦ではNBAで今季27・7得点(リーグ6位)、8・0リバウンド、8・6アシストを挙げているリーグ屈指のポイントガードと顔を合わせることになった。またドンチッチだけでなく決勝ではナゲッツで今季41試合に出場しているフォワードのブラッコ・チャンチャー(24)も4本の3点シュートなどで18得点をマーク。ドンチッチの3点シュート成功は5本中1本だったが、チームとしての成功率は41・9%(31本中13本)に達した。

 五輪で銅メダルを3つ獲得しているリトアニアは、8大会目で初めて五輪出場権を失った形。NBAグリズリーズのヨナス・バランチューナス(29)は26分で14得点、ペイサーズのドマンタス・サボニス(25)は30分で8得点どまり。NBAを代表するフロントコート・プレーヤーを2人そろえていたが最後までドンチッチを抑え込むことができなかった。

 セルビア大会決勝でも波乱。世界ランク5位で2016年リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得している地元のセルビアが95―102(前半45―57)でイタリアに敗れて五輪出場権を逃した。世界ランク10位のイタリアは銀メダルを獲得した2004年のアテネ大会以来、4大会ぶりの五輪出場。NBAウォリアーズの新人ガード、ニコ・マニオン(20)がチーム最多の24得点を挙げて勝利に貢献した。

 クロアチア大会では世界ランク17位のドイツが75―64(前半36―34)で同11位のブラジルを撃破。今季ウィザーズで八村塁(23)のチームメートとして開幕を迎え、その後セルティクスからマジックに移籍したフォワード兼センターのモーリッツ・バグナー(24)が、28分の出場で3本の3点シュートなどで28得点を稼いで3大会ぶりの五輪出場を決めた。八村と同じウィザーズに所属するイサック・ボンガ(21)は決勝では出場しなかった。

 カナダ大会では前日の準決勝でNBA8選手を主力としていた地元カナダに勝った世界ランク12位のチェコが、97―72(前半50―43)で同6位のギリシャを下し、スロベニア同様に初めて“五輪切符”を獲得。NBAブルズに所属するガード、トマシュ・サトランスキー(29)は12得点を稼ぎ、第3Qを31―11と圧倒して勝利を決めた。ギリシャは3大会連続で五輪出場を逃した。

 <最終予選決勝の結果>
 ▼リトアニア大会(カウナス)
スロベニア96―85リトアニア
 ▼クロアチア大会(スプリト)
ドイツ75―64ブラジル
 ▼セルビア大会(ベオグラード)
イタリア102―95セルビア
 ▼カナダ大会(ビクトリア)
チェコ97―72ギリシャ

 <東京五輪男子バスケットボール・予選リーグ>
 ▼A組=米国(1)、フランス(7)、チェコ(12)、イラン(23)
 ▼B組=オーストラリア(3)、イタリア(10)、ドイツ(17)、ナイジェリア(22)
 ▼C組=スペイン(2)、アルゼンチン(4)、スロベニア(16)、日本(42)
 *カッコ内の数字は世界ランキング

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