遥加 単独首位キープで初V王手「後悔ない」、父はソフトバンク・工藤監督

[ 2021年5月30日 05:30 ]

女子ゴルフツアー リゾートトラスト・レディース第3日 ( 2021年5月29日    愛知県 セントクリークGC=6605ヤード、パー72 )

3番、ティーショットを放つ工藤(撮影・椎名 航)
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 プロ野球ソフトバンクの工藤公康監督(58)の長女がツアー初優勝に王手をかけた。工藤遥加(28=フリー)が1バーディー、2ボギーの73とスコアを1つ落としながら通算9アンダーで単独首位を守った。新垣比菜(22=ダイキン工業)、勝みなみ(22=明治安田生命)が8アンダーで2位。アマチュアの岩井明愛(18=武蔵丘短大1年)が7アンダーで4位につけた。

 我慢のゴルフで初優勝に王手をかけた。工藤はスコアを1つ落としたものの「自分のやることに集中してできた。後悔はない」と納得顔だった。

 前日は自己ベストの66を叩き出し単独首位に立った。ラウンド後、いつも成績を気にしてくれる父、俳優の兄・阿須加(29)からは連絡がなかった。「母からは来たけど、父と兄はそっとしておこうということだと思う」

 家族の期待も背負って第3日に臨んだが「ティーショットが曲がってフェアウエーからグリーンを狙うのが難しかった」。3番でパーオンを逃しボギー先行。8番パー5で第3打を1メートルにつけて取り返したが、9番でティーショットを左に曲げてボギーを叩いた。

 それでもトップの座は守った。首位では14年サントリー・レディース以来2度目、単独首位では初めて最終日に臨むことになった。

 11年のプロテストに合格し同年の新人戦で優勝したが、その後は伸び悩んだ。トップ10入りは2回。シードを獲得したことは一度もない。そうした状況から抜け出すためさまざまなことにトライした。

 18年には早大人間科学部(通信制)に入学。現在は休学しているが、心理学などを学んできた。昨年4月からは週2、3回メンタルトレーニングにも励んでいる。積み重ねた努力がプロ11年目で実を結ぼうとしている。

 最終日最終組は14年サントリー・レディース、19年サマンサタバサ・レディースに次いで3度目。ソフトバンクは交流戦で巨人に2連勝した。奮闘する父に刺激を受け「気持ちで負けないようにプレーするだけ。お父さんが頑張っていると聞くと、私も頑張ろうと思う」と気合を入れた。

 【工藤 遥加(くどう・はるか)】☆生まれ&サイズ 1992年(平4)11月18日生まれ、埼玉県所沢市出身の28歳。1メートル71、65キロ。東京・日出高卒。血液型A。

 ☆ゴルフ歴 12歳の時にゴルフを始め、高校入学後に本格的に取り組む。10年国体に成田美寿々、葭葉ルミとともに千葉県代表として出場し団体戦4位。

 ☆プロ転向 11年7月、初挑戦のプロテストで9位となり一発合格。同年12月の新人戦・加賀電子カップで優勝した。

 ☆ツアーでの実績 前週までの生涯獲得賞金は4808万9266円(159試合)。トップ10入りは2回で最高成績は14年サントリー・レディースの5位。シードを獲得したことはない。

 ☆今季成績 前週まで23試合に出場し、昨年の伊藤園レディースの10位が最高成績。獲得賞金は748万3750円でランキング88位。

 ☆特技&趣味 ゴルフ以外にはアイスホッケーの経験がある。趣味は釣り。

 ▽ソフトバンク・工藤公康監督(監督の助言が好調の要因)アドバイスってそんな大したものではない。本人がどうしてもアプローチが強く入っちゃうという話をしたから、だったらアプローチの柔らかく打つロブショットみたいなのを入れたらいいんじゃないのと言っただけ。以上。(今日も首位)ありがとうございます。

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