“笑わない男”稲垣「世界一のスクラム目指す」代表合宿公開、新たな取り組みも明かす

[ 2021年5月30日 14:06 ]

スクラム練習中、代表初招集の中村駿太(左)に手振りを交えて助言を送る稲垣啓太(中央)。右隣はリーチマイケル
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 大分県別府市で合宿を行っているラグビー日本代表のプロップ稲垣啓太(30=パナソニック)が30日、オンラインで取材に応じた。この日午前に公開された練習でFW陣はスクラムのセッションがあり、長谷川慎コーチから指導を受けた。稲垣は「4年前に初めて集まったキャンプでは統率も取れていなかったし、100%で組めなかったが、今回は新しい選手を含めてしっかり組めた。スクラムのスタンダードがこの4年間で底上げできた印象があった」と手応えを口にした。

 23年W杯フランス大会を目指すチームのスクラムについて問われると迷わず「世界一のスクラムを目指しますよ、もちろん」と断言した。19年W杯日本大会の準々決勝では南アフリカにスクラムなどセットピースでプレッシャーをかけられて完敗。「セットピースで試合をコントロールされて負けたと思った。そこを超えない限り次のステップへは行けない。世界一の南アフリカに通用する、世界一のスクラムをつくっていきたい」と意気込んだ。6、7月の欧州遠征で対戦する全英&アイルランド代表ライオンズとアイルランド代表、さらには23年W杯1次リーグで同組となったイングランド代表はいずれも「セットピースでペナルティーを狙ってくる」と予想。「そこへ、こちらから仕掛けていくマインドを持たないとゲームコントロールされてしまう。逆にコントロールできればゲームの支配権を奪えるということ」と説明した。

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも28日から練習に合流。「みんな、いい緊張感を持っていた。スタンダードが非常に高く保たれていて、いいスタートだと思う」と振り返った。この日はアタックとディフェンスの理解度を上げることに主体を置いた練習だったが、当初は午後にスピードとコンタクトを100%に上げる想定が「午前中から100%に上がっていた」という。また、スクラムでは従来の取り組みの理解度を再確認することが重要と指摘した上で「新しく1つ付け加えるとしたら、前回までと違う体の使い方。そこへのフォーカスが1つ追加するところ」と“機密事項”を明かし、自身のテーマについても「ギャップをコントロールすること。欧州のラグビーを見ていると、頭と肩と手を使って必ずギャップをつくりだしている。トップリーグではやりすぎるとペナルティーになるが、欧州は双方がやるので行きすぎることがない。そこでイーブンになるのではなく、ギャップをつくりだしてアドバンテージを取ることをやっていきたい」と説明した。

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2021年5月30日のニュース