大里“三度目の正直”3年ぶり2勝目、パットイップス「三刀流」で克服

[ 2021年5月17日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ほけんの窓口レディース最終日 ( 2021年5月16日    福岡県 福岡CC和白C=6335ヤード、パー72 )

祝福され、涙する大里(左)=撮影・中村達也
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 黄金世代の大里桃子(22=伊藤園)が通算9アンダーで並んだささきしょうこ(24=日本触媒)とのプレーオフを3ホール目で制し、初優勝した18年のCATレディース以来のツアー通算2勝目を挙げた。2試合連続の2位で迎えた今大会を「三度目の正直」で制した。前日に悪天候のため順延となり、競技は36ホールに短縮された。

 2週前にプレーオフで惜敗し、1週前は終盤で失速して2位。そして三たびの優勝争い。大里は「攻める」と決めていた。18番パー5でのプレーオフ3ホール目。残り235ヤードを5Wで2オンさせた。5メートルのイーグルパットこそカップに蹴られたが、お先にバーディーで3年ぶり2勝目。苦しい時期を思い出し、目に涙があふれた。

 「三度目の正直ができました。初優勝は勢いで、今回は苦労した分、実力で勝ち取った優勝。ゴルフの神様が見てくれてたのかな…。最っ高にうれしい」

 18年8月に初優勝。しかし同年秋に30センチのパットを外し、手が動かなくなるイップスを発症した。プロアマ戦で1メートルのパットを外し頭を下げる。「小学生でも入るパットが入らない」。地元・熊本の大会では、プレッシャーから吐いたこともあった。

 克服のためにもがいた。パターを替え、長さも33インチから36インチに変更。握り方は順手のほかに、左手でグリップを握り右手は指を伸ばして手の甲を正面に向けて添えるクローグリップ、クローグリップと同じ形で右手と左手を入れ替える逆クローグリップを、距離やラインで使い分ける「三刀流」にいきついた。

 単独首位で迎えた終盤の17番。1・5メートルのパーパットを外した時には「またか」と思った。だけど、過去の自分とは違う。外せば優勝が消える18番の5メートルのチャンス。「絶対入れる」とクローグリップで沈め、プレーオフに持ち込んだ。「悩んだ分、成長できた。パターで救われたホールもたくさんあった」とうなずいた。

 黄金世代6人目の複数回優勝。苦しんだから、強くなった。「ここで終わりじゃない。3、4勝目とできるように成長したいな」。22歳の顔は自信にみちていた。

 【大里 桃子(おおさと・ももこ)】
 ☆生まれ 1998年(平10)8月10日生まれ、熊本県出身の22歳。出身校は熊本国府高。
 ☆サイズ 1メートル71、60キロ。
 ☆ゴルフ ハンディキャップ0の父・充さんの勧めで8歳から始める。
 ☆名前の由来 「プロゴルファーの妻になってほしい」(充さん)と、西川哲と結婚していた女優の菊池桃子から。
 ☆親友 渋野日向子と仲良し。常に「渋野の親友」と枕ことばがつくことについて「あれだけ活躍しているので」と受け入れた上で「名前を出されず“渋野の親友”とだけ書かれたときは違うかな、と」と思ったことも。
 ☆好きな食べ物 熊本のご当地グルメの馬肉をはじめとするお肉。

 【勝者のクラブ】▼1W=ブリヂストン・ツアーB X(ロフト角9・5度、長さ45・5インチ、硬さS)▼3、5、7W=ピン・G425 MAX(14・5、17・5度、22度)▼4U=ピン・G410(22度)▼5I~PW=ブリヂストン・ツアーB 201CB▼ウエッジ=ブリヂストン・ツアーB BRM(50、58度)▼パター=ピン・2021 TYNE4▼ボール=ブリヂストン・ツアーB XS Just―in Alignment

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