砂村光信氏 サントリーは相手の持ち味を出させない試合巧者ぶり光った

[ 2021年5月17日 05:30 ]

ラグビートップリーグ プレーオフトーナメント準決勝   サントリー26ー9クボタ ( 2021年5月16日    花園 )

<サントリー・クボタ>前半、スクラム組み直しの間に駆け引きをする両チームのFW勢
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 【砂村光信 視点】サントリーはラインアウトでプレッシャーをかけ、クボタが得意とするFW攻撃の起点をつくらせなかった。1メートル89で手が長く身体能力も高いツイを列の2番目に置いてクリーンキャッチを許さず、モールを組ませなかった。また、相手が長いタッチキックを蹴っても、クイックスローインで試合を再開。自陣でラインアウトになるのを避けるとともに、クボタが狙うスローペースにさせなかった。

 ディフェンスでは味方同士の距離感が良かった。ブレークダウン(タックル後のボール争奪戦)に2人目が早く入れるため、遅れた相手はオフサイドなど反則を連発。PGで点差を広げ、無理に攻めさせてはまた反則を誘う展開に持ち込んだ。攻撃力が注目されるチームだが、相手に持ち味を出させない試合巧者ぶりもさすがだ。

 決勝はどちらが自分たちのスタイルを先に出せるかが鍵となる。パナソニックはラインアウトを獲得するために誰をフッカーに起用するのか。日本人選手が並ぶサントリーTB陣に対し、パナソニックはうまさと強さを兼ね備えた外国人両CTBをSO松田がどう操るかも興味深い。(元U―23日本代表監督)

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2021年5月17日のニュース