【荒磯親方 真眼】朝乃山&正代 立ち合いの着地早くしてみては

[ 2021年5月17日 05:30 ]

大相撲夏場所8日目 ( 2021年5月16日    両国国技館 )

豊昇龍に敗れた朝乃山(撮影・久冨木 修)
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 場所前の展望で4大関の奮起を期待しましたが、中日を終えて明暗が分かれました。番付最上位の朝乃山が4敗、カド番の正代も3敗。この2人は予想外に苦しんでいます。

 原因は立ち合いにあります。朝乃山は豊昇龍にあっさり中に入られ、正代も御嶽海に完全に出方を読まれ、はずから上体を起こされました。踏み込みが大きいので、着地する前に相手に鋭く出られています。全く相手に圧力を伝えることができていません。

 2人とも「調子は悪くないのに、何かしっくりこない」と、もどかしい思いを抱いているでしょう。何とも言えない「気持ち悪さ」は自分も何度か経験があります。スカッと気分を晴らすためには、踏み込んだ時に両方の足で早く着地すること。体圧を生かす最善の策です。

 元々力のある力士ですから、100%の当たりができさえすれば、本来の強さを取り戻せるでしょう。後半戦を面白くする上でキーマンとなる2人。早く気持ち良さそうな顔を見たいものです。(元横綱・稀勢の里)

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2021年5月17日のニュース