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平尾さんと「ミニカチュ」とアイルランド

[ 2019年9月28日 14:00 ]

95年1月8日、社会人ラグビー決勝で後半にドロップゴールを決めガッツポーズで喜ぶ神鋼の平尾誠二氏
Photo By スポニチ

 ラガーマンは遊び心がある。サインの名前は特にそう。その昔、「ミニ・カチューシャ」というプレーがあった。略して「ミニカチュ」。女性の髪飾りを指す通り、ダミーとループを混ぜた美しいサインプレーだ。

 広めたのは平尾誠二さん。亡くなる2年前に由来を聞いた。

 「あれは、神戸製鋼のV7の初期の頃、僕がキャプテンの時に“1人3個、サインプレーを考えてこい”って宿題を出して。そのうちの1つを土台にして、できあがった」

 発案者は当時の選手、加藤さん。ニックネームが「カチュー」だったそうで、「それで、カチューシャ。そこから派生してミニカチュ」。ゴツゴツした「ザ・オトコ」の競技で、女性的なネーミングにするところが、平尾さんらしいユーモアセンスだ。

 W杯でも見せたことがある。95年のアイルランド戦。後半19分、14―26。敵陣22メートル、左サイドのラインアウト。SO平尾さんの「ミニカチュや」のひと声でプレーが決まった。

 SH堀越―SO平尾―CTB元木―SO平尾と渡ってトライ。「時間帯と点差を考え、一発でトライを取りたい場面だった。あの後、同じプレーが世界に広まった」とは京産大・元木由記雄ヘッドコーチの述懐。28―50で敗れた試合。強豪に21―26と接近した瞬間だった。平尾さんの日本代表最後の試合であり、W杯で記録した唯一のトライだった。

 アイルランドとW杯で対戦するのは、その時以来24年ぶり。今のジャパンも遊び心がある。ポジションとは別に「スモウ」、「ニンジャ」、「サムライ」という名前の分類があったり、日本名のサインプレーがあったり。

 再び、強豪に一泡を。そして勝利を。(倉世古 洋平)

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