ジョセフジャパン 南アに完敗も「崩れないスクラム」収穫 伝統“低すぎる姿勢”見直し機能

[ 2019年9月7日 05:30 ]

リポビタンDチャレンジカップ2019   日本7―41南アフリカ ( 2019年9月6日    熊谷 )

スクラム(上から)稲垣、坂手、ヴァル(撮影・吉田 剛)
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 崩れない。8人、16本の足が熊谷の芝をつかむ。敗戦の中でジャパンの光明はスクラム。世界一強い南アフリカにしっかり組んだ。ジョセフHCは「強い相手にスクラムが機能した」と収穫をあげた。

 日本の伝統は低さ。だが、今季は崩れて反則を取られる場面があった。低い方に原因があると審判に判断されたため海外勢の高さをイメージし、“低すぎる姿勢”を見直した。

 先発のFW平均体重は、日本が111・5キロで南アフリカが117・2キロ。5・7キロ差あったが崩れる場面はほぼなかった。フッカー坂手は「落ちない、落とさせない。そこは狙っているところなので」と振り返った。8月の網走合宿など猛特訓で築き上げた。長谷川慎スクラムコーチが唱える「力を漏らさないスクラム」を完成させるため、足の置き場所までこだわった。技術を突き詰めた先の最後の味付けは、精神面。坂手が明かす。

 「覚悟という言葉をよく使いました。覚悟を持って一本一本組むことで、スクラムが変わってくるんです」

 ヤマハ発動機のFWが練習相手を務めてくれた。静岡から網走まで、チームの自腹でスクラムを組みに飛んでくれた男気も、ジャパンの面々の気持ちを熱くさせた。相撲のぶつかり稽古のように、フラフラになりながら組んだ。

 W杯1次リーグで当たる4チームはどこもスクラムが強い。だが、大丈夫。南アフリカ相手にマイボールを全てキープできた。「覚悟」でW杯を戦い抜く。 

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2019年9月7日のニュース