京産大・大西監督、今季初勝利に涙…ラストシーズンへ「ここから勝負できる」

[ 2019年9月7日 18:49 ]

<京産大・大体大>圧勝に、笑顔を見せる京産大・大西監督(中央)(撮影・成瀬 徹)
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 今季限りで勇退する京産大の大西健監督(69)が今季初勝利に涙した。京都・宝が池球技場でムロオ関西大学Aリーグ第2節2試合が行われ、京産大が61―10で大体大に圧勝した。序盤に先制を許したものの、崖っ縁に立たされていた選手がすぐに奮起。すぐに同点に追いつくと、以降はトライを重ね突き放した。

 「素直にうれしい」

 関西大学Aリーグを4度制した名将は「“京産のプライドを取り戻そう”と言って送り出した。京産らしいひたむきさが出ていた。ここから勝負できる」と喜びを噛みしめるうちに目を潤ませた。

 1日の関学大戦ではふがいないプレーの連続で競り負け。1973年から指揮を執る指揮官のラストを飾るには物足りない開幕戦だった。2013年からコーチとして支える元日本代表の元木由記雄ヘッドコーチも「熱量が足りない」と覇気のない様子に静かに怒りを込めていた。

 “再出発”を期して挑んだ1週間。練習ではけんかが勃発するほどの熱さで、恒例の食料合宿ではメンバー全員ですき焼きを食べながら、OBの「京産のプライドを持って戦ってほしい。京産のラグビーを見せてくれ」との言葉に魂を揺さぶられた。

 ゲームキャプテンを変更し、バックスは「縦に進める選手を入れた」(元木ヘッドコーチ)と先発4人を交代。意図通り、自慢のFWだけではなく、バックスもグラウンドを支配した。

 「まだ求めるレベルではないが少しずつできてきた。やっぱり体を張れない選手はだめですからね」と元木ヘッドコーチ。次戦は近大戦。プライドを取り戻した京産大の進撃が始まる。

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