データで見る八村のW杯チェコ戦 FG成功率は66・7% 後半はシュートミスなし

[ 2019年9月3日 20:53 ]

バスケットボール男子W杯1次リーグE組   日本76―89チェコ ( 2019年9月3日    上海 )

チェコのクリッツにマークされる八村(AP)
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 チェコはトルコ同様、八村がボールを持って動き出した際にはダブルチームを仕掛けて阻止を図ってきた。その中で八村はフィールドゴール(FG)は12本中8本成功。トルコ戦で30・0%(10本中3本)だったFG成功率は66・7%に跳ね上がり、ゴンザガ大時代の昨季(計37試合)で記録した59・1%を上回った。

 しかし出場時間は大学時代の昨季より4分多い34分あったにもかかわらず、FG試投数はほぼ同じ。このあたりにダブルチームでなかなかシュートを打てない“苦闘の跡”がにじみ出ている。

 日本は後半に入ってチェコが八村にダブルチームを仕掛けた瞬間、ノーマークとなった比江島慎(29=栃木)らがインサイドに飛び込んで八村からパスをもらってシュートを打ったが、来年の東京五輪ではこのプレーはさらに増やしてほしいところ。あの執ようなマークの中でFG成功率を6割に持っていけるフォワードは世界的に見ても数少ない存在だが、それだけに相手は八村を研究した上で試合に臨んでいるはずで、背番号8へのダブルチーム対策は今後の日本代表にとって重要な課題になるだろう。

 日本はフリースローを18本中10本失敗。3点シュートの成功も13本中4本しかなく、25本中11本をねじこんできたチェコとは“大差”がついた。一生懸命にディフェンスをするとそれだけ体力を消耗するだけにどうしても精度は落ちるのだが、それは相手も同じ。世界レベルの圧力を受けたときに、どこまでシューティング・タッチを滑らかにしていくかも修正すべき部分だ。

 米国出身でチェコの国内リーグではレジェンド的な存在になっているブレイク・シウブ(34)はベンチから出て22得点。3点シュートは7本中6本までを成功させ、シックスマンとしての役割を十分に果たした。

 シウブはユーロリーグでもチェコの国内リーグでも優勝を経験。彼には3点シュートの成功率で40%超えを果たしたシーズンが6回もあるのだが、W杯という大舞台でも絶妙のタッチを見せた。この経験値がこの日の勝利に大きく貢献。日本にとっては学ぶべき貴重な“教材”だった思う。(高柳 昌弥)

 <八村の全プレー>

 ▼第1Q(5得点)=(1)フリースロー2本〇〇、(2)ゴール下でのシュート×(オーダ・206センチ)、(3)ベースライン右サイドからのジャンプシュート×(オーダ)、(4)オフェンス・リバウンドからゴール下〇(オーダ)、(5)フリースロー1本×、(6)フリースロー2本×〇

 ▼第2Q(3得点)=(7)正面からジャンプシュート〇(ボハチク・198センチ)、(8)正面から3点シュート×(パンプーラ・198センチ)、(9)フリースロー2本〇×

 ▼第3Q(7得点)=(10)ローポストからターン・アラウンドでのジャンプシュート〇(オーダ)、(11)フリースロー1本〇、(12)オフェンス・リバウンドからゴール下〇(オーダ)、(13)オフェンス・リバウンドからゴール下〇(オーダ)

 ▼第4Q(6得点)=(14)馬場のアシストからゴール下でダンク〇(サトランスキー・201センチ)、(15)ペイント内でオフバランスでのフローター〇(パンプーラ)、(16)左45度からターン・アラウンドでのジャンプシュート〇(シウブ・198センチ)

 *カッコ内は八村をマークしていた選手

 <個人成績>

 ▼日本=☆八村塁(21得点、6リバウンド、4アシスト)、☆渡辺雄太(15得点、5リバウンド)、ニック・ファジーカス(12得点、10リバウンド、5反則)、比江島慎(10得点)、田中大貴(7得点)

 ▼チェコ=☆トマシュ・サトランスキー(15得点、7アシスト、6リバウンド)、ヤロミール・ボハチク(22得点、3点シュートの成功は10本中4本)、ブレイク・シウブ(22得点、3点シュートの成功は7本中6本)

 ☆はNBAのチームに所属している選手

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