白鵬、これからは「2つの国が背中に」 日本名は「白鵬翔」

[ 2019年9月3日 14:25 ]

日本国籍取得について語る白鵬
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 大相撲で史上最多の優勝42度を誇るモンゴル出身の第69代横綱・白鵬(34=宮城野部屋)が日本国籍を取得した。3日付の官報で告示された。現役引退後に親方として日本相撲協会に残るためには日本国籍が必要で、白鵬は今年に入って国籍取得に動き、6月にはモンゴル国籍離脱を承認されていた。

 白鵬は東京都墨田区の宮城野部屋での朝稽古後に取材に応じた。「やっとというか、正式に本日をもって、白鵬翔として日本国籍を獲得することができました」。言葉を選びながらゆっくりと、本名のムンフバト・ダバジャルガルから、しこ名と同じ日本名になったことを明かした。

 2000年に15歳で来日し、01年春場所で初土俵を踏んだ。そこから18年。「相撲一筋でやってきたことが今日につながったと思います」と振り返った。国籍が変わっても「人間そのものが変わるわけじゃない」と話す一方で「日本人として恥じないように頑張る。今まではモンゴルという国が背中にあったけど、(これからは)2つの国が背中にのし掛かってくる」との心境も吐露した。

 歴代の5人の外国出身横綱のうち、日本国籍を取得したのは、米国出身の曙、武蔵丸(現武蔵川親方)に次いで3人目となった。モンゴル出身の関取では、元関脇・旭天鵬(現友綱親方)元関脇・朝赤龍(現錦島親方)、元幕内・翔天狼(現北陣親方)らが日本国籍を取得して相撲協会に残っているが、白鵬も同様の資格を得た。

 「今まで自分が相撲を取ることで頭がいっぱいだったけど、これから別の道ができたわけですから。どういう感じか全く分からないけど、強いお相撲さんを育てるのが、一つの恩返しだと思う」。日本国籍取得に伴い、引退後に指導者として日本協会に残る道が現実的になった。

 相撲協会は現役時代に著しい功績を残せば、引退後に現役名のまま親方になれる「一代年寄」を授与する例がある。過去には大鵬、北の湖、貴乃花(いずれも横綱)がいる(横綱・千代の富士は一代年寄を辞退)。優勝20度以上が一つの目安とされており、実績面では申し分のない白鵬も一代年寄になる可能性が出てきた。

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2019年9月3日のニュース