【上水研一朗の目】浜田「超一級品」の寝技につなぐ流れを磨け

[ 2019年8月31日 07:46 ]

柔道世界選手権 第6日 ( 2019年8月30日    東京・日本武道館 )

女子78キロ級準決勝、腕がらみに持ち込み一本勝ちを収める浜田(左)(撮影・会津 智海)
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 今大会は日本女子の寝技の精度が非常に高いことが目立つが、女子78キロ級の浜田の寝技はその中でも超一級品といえる。最終的には相手の腕を決めていくのだが、そこまでのパターンも豊富。だが、立ち技から寝技への連絡という意味では、まだ磨く点がある。

 決勝は長身の相手と相四つで、完全に組み負けていた。先にポイントを取られたため攻める必要はあったが、体格差がある中で、大外刈りはあまりに危険だった。今後は左右の背負い投げなどの担ぎ技や、小内刈りなどの後ろ技を身に付け、自らつくった流れの中で、最大の武器である寝技につなげていく必要があるだろう。

 男子100キロ級のウルフは今年の全日本選手権覇者で「勝たなければ」という重圧を想像以上に感じていたのではないか。初戦から動きが硬く、魅力の一つであるオオカミのような荒々しさが影を潜めていた。敗者復活戦以降の開き直った戦いぶりが本来の力。五輪前年にいい経験をしたと考えて、精進してもらいたい。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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2019年8月31日のニュース