【上水研一朗の目】丸山「2度目の崩し」 世界と戦う武器に

[ 2019年8月27日 08:17 ]

柔道世界選手権第2日 ( 2019年8月26日    東京・日本武道館 )

<世界柔道選手権>男子66キロ級準決勝、丸山(左)が巴投げで阿部一二三を崩す(撮影・篠原岳夫)
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 初出場で序盤は慎重さが見られた丸山だが、準々決勝の内股一本勝ちで勢いに乗った。阿部一との準決勝で内股を受けた際に膝を痛め、重症にも思えたが、これで覚悟を決めたのか最後まで闘志あふれる姿勢を崩さず、見事な試合ぶりだったと思う。

 丸山には、世界でも丸山だけの明確な長所がある。普通は技に入る前に相手のバランスを崩す動作=崩しがあるが、丸山には技に入ってから、二度目の「崩し」がある。技に入った瞬間の力の方向性と、最終的な方向が異なるため、相手が耐えようとしても防ぎきれない。今後は研究され、左の釣り手(襟を持つ)を封じられることも考えられるが、右の技を磨いていけば対処できると思う。

 一方、阿部一は相手に研究され、それに対応が遅れている印象だ。以前は阿部一の技を恐れる相手が間合いを取ってくれたので、その距離をうまく使って技に入っていた。今は逆に間合いを詰められ、入り方に悩んでいる。3位決定戦の技もかなり強引だった。銅メダルに踏みとどまったことで、丸山との代表争いは今後も続く。今後は準々決勝で見せた大内刈りや小内刈りなど、得意技に入る前のレパートリーを増やすべきだろう。

 連覇を達成した阿部詩は、きっちり進化を見せてくれた。決勝の袖釣り込みは、これぞ阿部詩という技だったが、感心したのは五輪女王ケルメンディとの準決勝だ。立ち技は互角で厳しい場面もあったがよく我慢し、自らの投げ技が崩れたところから押さえ込んだ。寝技には明確な手順がある。昨年の優勝に慢心することなく、その手順の正確性を磨いてきた19歳に拍手を贈りたい。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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