【小椋久美子氏 世界バド総括】全てに隙なし圧倒的だった桃田 女子複はナガマツが頭一つ抜けた

[ 2019年8月27日 08:00 ]

男子シングルスで2連覇を達成し、日の丸を背に場内を一周する桃田賢斗
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 バドミントン世界選手権(スイス・バーゼル)が25日に全日程を終了し、日本勢は史上初となる全種目メダルを達成した。男子シングルスでは桃田賢斗(24=NTT東日本)が連覇を果たし、女子ダブルスでは2年連続の日本勢決勝が実現。来年の東京五輪へ期待が膨らんだ今大会をスポニチ本紙評論家の小椋久美子氏(36)が振り返った。

 全種目でメダルを獲得した中でも、桃田選手は圧倒的だった。出だしは相手の様子を見ながら、相手の動き、配球を探りながらラリーをする。決勝ではスマッシュが速い選手に対して、後ろへの配球の精度が良かった。相手を後ろに下げることで、相手の持ち味のスマッシュを打つ選択を消した。1回戦から準備も完璧で、王者の風格がある。

 女子ダブルスは最大2枠の東京五輪選考レースで永原、松本組が頭一つ抜けた。強打一辺倒でなく、緩急を使って、単調さがなくなった。精神面が充実し、プレーの幅が広がっている。福島、広田組は決勝の第2ゲーム以降、持ち味のレシーブからテンポを上げてスピード感が出たが、最後は永原の強気のレシーブが良かった。

 永原、松本組は獲得ポイントの最も多い世界選手権を制し、12月のツアーファイナルズ(中国)出場も決めた。福島、広田組と高橋、松友組が追い付くのは険しい道。今後はファイナルズ出場権を懸け、その2組の戦いになる。(08年北京五輪女子ダブルス代表)

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