不屈の主将リーチ 復興の釜石で復活へ!フィジー戦「純粋に楽しみ」

[ 2019年7月27日 05:30 ]

リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド   日本―フィジー ( 2019年7月27日    釜石復興 )

<日本代表練習>笑顔でウォーミングアップするリーチ(中央)ら(撮影・久冨木 修)
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 復興の地で復活へ。フィジー戦を翌日に控えた日本代表は26日、W杯開催12会場で唯一新設された釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで練習を行った。3月に恥骨に炎症を発症したリーチ・マイケル主将(30=東芝)も、昨年12月以来、約8カ月ぶりの実戦復帰に向けて最終調整。11年3月の東日本大震災で津波に襲われた旧鵜住居小、旧釜石東中の跡地に建てられた場所で、自身の復活とW杯への第一歩をしるす。

 青く輝く刈りそろえられた芝のピッチに、羽ばたきや船出を表現したメインスタンドの大屋根。まるで導かれたかのように釜石で自身の復帰戦を迎えることになったリーチは、「純粋に楽しみ。(患部は)ほぼ問題ない。いつでも出られる準備をしておく」と翌日に迫った決戦を見据えた。

 25日に盛岡から三陸方面を目指すバスの車中で、車窓に広がる風景に心の琴線を揺さぶられた。「(途中は)緑がかなり多いなと。鹿を20頭見た。ここ(釜石)に入った時に防波堤を見て、新しい家も。(津波に)やられたなと感じた」。今回の宿舎も太平洋に臨む断崖絶壁に立ち、8年前は3階部分まで浸水被害に遭ったホテル。決戦前夜のミーティングは「ラグビーの話はしない」とし、日本代表として被災地で試合を行う意義を選手に語り掛けるつもりだ。

 30歳のリーチにとって今年は来日15年の節目の年。漢字を不自由なく読めるだけに、小中学校の跡地に立つスタジアム建設までの経緯、W杯開催招致に尽力した人々の苦労も分かっている。約5メートルかさ上げされたピッチのハイブリッド芝についても「日本一の芝。フラットでボコボコがない。奇麗」と絶賛。舞台は整った。

 ケガの状態は一進一退を繰り返し、W杯出場を危ぶまれた時期もある。そこからはい上がったからこそ、スタジアムを訪れる人たちに伝えられることがある。「勇気のある試合をして、見てもらい、何かを感じてもらえれば」。倒れても必ず立ち上がる。不屈の闘将が帰ってくる。

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2019年7月27日のニュース