【大坂なおみ強さの秘密】全米→全豪 GS連覇を成し遂げた3つの要因

[ 2019年1月26日 21:33 ]

優勝スピーチで会場のファン、大会スタッフ、チームスタッフに感謝の思いを伝える大坂なおみ(AP)
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 テニスの全豪オープン第13日が26日、オーストラリア・メルボルンで行われ、女子シングルス決勝で世界ランキング4位で第4シードの大坂なおみ(21=日清食品)は、第8シードのペトラ・クビトバ(28=チェコ)と対戦。7―6、5―7、6―4で勝利し、昨年の全米に続く4大大会優勝を飾った。グランドスラムがオープン化された1968年以降、女子シングルスで全米→翌年の全豪を連覇した選手は大坂なおみ(21=日清食品)で10人となった。偉業達成の要因に迫った。

 昨季、全米オープンを初制覇した21歳の女王は、オフに慢心することなく、ライバルに研究されることを見越して減量とフットワーク強化に腐心した。

 24日の準決勝。元世界ランキング1位のプリスコバをねじ伏せた一戦では、トレーニング担当のアブドゥル・シラー氏と目指す「コート上のスプリンター」を体現した。素早く動いていい体勢で厳しいショットを浴びせ続け、ノータッチの決定打が相手の2倍以上の56本。「オフのトレーニング(の効果)を実感できた」と誇った。

 シーズン開幕時から「今季、私は長い試合をたぶん(多く)やる」と認識していた。強打を生かして短い時間でポイントを取る持ち味を封じるため、対戦相手がストローク戦を仕掛けてくることは分かっていた。それに対応するため、足腰の強さと俊敏性が必要だった。

 そして、今大会の進撃を支えたのが「精神面の成長」だ。21日の4回戦のセバストワ戦。第1セット、3―4で迎えた相手サーブの第8ゲーム。大坂は30―40からミスショットでゲームを落とすと、ラケットをコートに叩きつけようとして踏みとどまった。そのまま地面に置き、ガットでボールを弾ませ一呼吸。平常心を保ち逆転劇につなげた。

 決勝でも第2セットでチャンピオンシップポイントを握ってから逆転されるフラストレーションのたまる展開に。これまではネガティブな気持ちに引きずられる場面があったが、最終セットは気持ちを切り替えて勝利につなげた。

 今大会中に「リードされても諦めず粘れた。成熟するためには思い通りにいかなくても受け入れることが大事。それがうまくできないので改善している」とコメントし、自身も成長を実感。21歳女王のさらなる進化が楽しみだ。

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