引退か続行か、故障も乗り越えた田中智美がリオ以来のマラソンへ「応援してくれた方のために」

[ 2019年1月26日 14:42 ]

リオデジャネイロ五輪以来のマラソンに挑む田中智美はリラックスした表情でレース前日練習を終えた
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 陸上の大阪国際女子マラソンに出場する田中智美(31=第一生命)が26日、27日のレースに向けて大阪市内で調整した。16年リオデジャネイロ五輪以来の42・195キロは、“恩返し走”にする決意。「久しぶりに走れる。走り始めると決めてから、足を痛めて心が折れかけた時もあった。その時に“また走りを見たい”と言ってくれた方がいてくれた。その方たちに、元気に走っているところを見みせたい」。にこやかな表情から力強い言葉を発した。

 4年に1度の祭典を19位で終えた後の16年11月から4カ月間、休養した。引退か続行か―。心は揺れた。

 「やめよう、やろう、の繰り返し。最後はこんなに悩んでいるんだったらやろうと、自分で決めた」

 競技から遠ざかった間、「ほぼ走っていない」。気付けば、ベスト体重より8キロも増加した。リオ時が40キロだったから、50キロ近くになっていたことになる。現役続行を決めて、再び走り始めた時の感想は「オモって感じでした」と言って報道陣を笑わせた。

 再起後の道のりは平坦ではない。17年のさいたま国際は右臀部(でんぶ)痛、18年のゴールドコーストは右アキレス腱痛を起こして走れなかった。2度もマラソン出場の機会を逃した。何度もくじけながらも、東京五輪を目指してきた。やっと立てるスタートライン。マラソン・グランド・チャンピオンシップ出場権獲得は当然の目標だが、「笑顔でゴールしたい」の言葉こそ、本音なのかもしれない。

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2019年1月26日のニュース