eスポーツ日本代表が金!日本発祥“ウイイレ”で初代アジア王者

[ 2018年9月2日 05:30 ]

ジャカルタ・アジア大会の公開競技「eスポーツ」の人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」で優勝し、笑顔で金メダルを手にする杉村(右)と相原
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 ジャカルタ・アジア大会で公開競技として初採用されたコンピューターゲーム競技「eスポーツ」で1日、日本代表の杉村直紀(21、近大)と高校生の相原翼(18)がサッカーゲーム「ウイニングイレブン(ウイイレ)」で優勝した。4カ国ずつで戦うグループリーグを3戦全勝で突破。決勝トーナメント初戦の準決勝でマレーシア、決勝でイランを下して初代アジア王者に輝いた。今大会6種目(6ゲームソフト)のうち唯一となる日本製ゲーム(コナミ)で“快挙”を成し遂げた。

 各国2人の代表が実在する世界の強豪チームを操り、1対1、2対2、1対1の順で3本勝負を行い、2本先取で勝利。決勝は、ウイイレの大会で世界一になったこともある実力者杉村が、第1ゲームを落とす苦しい展開。イランがこのゲームで最強といわれるアーセナルを選択し、能力値が低いバルセロナで戦わざるを得なかったことも響いた。

 後のない第2ゲームで、日本はリバプールを選択。バルセロナのイランに2―0で勝って追いついた。そして第3ゲームで“最強”アーセナルを選ぶことができた相原が、リバプールのイランを3―2で下し、逆転金メダルをゲットした。

 相原は大きな大会での実績はなく、今大会の国内予選で突然現れた新星。この日は、高校生らしからぬ強心臓ぶりを見せた。第2ゲームでは調子の出ない杉村をうまくサポート。点の取り合いとなった第3ゲームも集中力を切らさず、後半34分に勝ち越した。

 相原は「日本を背負って戦うプレッシャーはあったが、良い体験ができた」と笑顔。杉村は「最高の舞台でメダルを獲れてうれしい。隣にいる最高の後輩のおかげ」と感謝した。

 eスポーツは近年、若者を中心に世界的に盛り上がっており、国際オリンピック委員会(IOC)も注目。24年パリ五輪で正式競技入りの動きがある。日本でも来年の茨城国体で文化プログラムとして開催。この日の金メダルで競技の活性化に弾みがつきそうだ。

 ≪今大会6種目≫国内外で「eスポーツはスポーツなのか」と根本的な疑問の声が上がる中で行われた競技。今大会では「ウイニングイレブン」のほかカードゲーム「ハースストーン」、ストラテジーゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」、対戦型ゲーム「アリーナ・オブ・ヴァラー」「リーグ・オブ・レジェンド」「スタークラフト2」の6種目が行われた。日本人選手は「ウイイレ」のほか「ハースストーン」に赤坂哲郎(23)が出場。8月31日に競技が行われ、赤坂は初戦でインド選手に敗れた。

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2018年9月2日のニュース