東京五輪の聖火リレーと競技日程が確定。さて、最終聖火ランナーは?

[ 2018年7月20日 10:00 ]

1988年長野五輪開会式で、真っ白な能衣装に身を包んだ伊藤みどりさんが聖火台に平和の灯を点火する
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 【藤山健二の独立独歩】20年東京五輪に向けての準備が着々と進んでいる。今月12日に聖火リレーのルートと日程が発表され、18日には競技日程が国際オリンピック委員会(IOC)理事会で承認された。聖火リレーは20年3月26日に福島県をスタート。関西、四国、九州各地を巡り、日本海側を北上して北海道に到達した後、7月10日に開催地の東京に入る。

 五輪の聖火を手に街中を走る機会はそうそうあるものではないので、いつ公募が始まるのか心待ちにしている人も多いだろう。ルートの詳細は各都道府県が決める。走者については日本オリンピック委員会(JOC)やIOC、そして大会開催のために多額の資金を提供しているスポンサーなどに優先的に枠が与えられるが、もちろん一般からの公募もあり、ルートが確定する来夏以降に詳しい要項が発表される。

 聖火リレーの詳しいルートが決まればいよいよ次は最終ランナー、つまり「聖火台に点火するのは誰か?」という問題に興味が移る。前回64年の東京五輪では広島に原爆が投下された日に生まれた19歳の早大生、坂井義則氏が大役を務めた。近年は開催国を代表する過去のメダリストを起用するのが主流で、今年2月の平昌五輪では10年バンクーバー五輪女子フィギュアスケート金メダリストの金妍児(韓国)が聖火を灯した。

 それにならえば羽生結弦や吉田沙保里、北島康介氏らが有力候補となりそうだが、前回同様、メダリスト以外の選択肢もある。東日本大震災や熊本地震、今回の西日本豪雨など、災害で被害を受けた子どもたちが希望の火を灯せば、震災復興五輪の名にふさわしい一シーンとなるのは間違いない。あるいは最先端の日本の技術や文化を世界にアピールするのなら、アニメ大国ニッポンを象徴するようなバーチャルアイドル、バーチャルアスリートが最終点火者として登場するという奇想天外な案も面白いかもしれない。

 聖火台への点火は開会式の最大の見せ場となる。開会式の演出自体がまだ検討段階なので、点火方法や点火者の決定は更に先のことになるだろう。98年の長野五輪では13日に亡くなった浅利慶太氏が開会式を演出したが、五輪とは関係ない横綱が登場するなど様々な感想が飛び交った。20年東京五輪の開会式がどんな演出で行われ、誰が聖火に点火するのか。楽しみはこれからだ。(編集委員)

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