さくらジャパン 初表彰台狙う!女子ホッケーW杯21日、ロンドンで開幕

[ 2018年7月20日 05:30 ]

ホッケー女子W杯壮行会に参加した日本代表選手
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 「さくらジャパン」の熱闘が始まる。ホッケー女子W杯は21日から8月5日まで英ロンドンで16カ国が参加して開催される。世界ランキング12位の日本代表「さくらジャパン」は1次リーグD組に入り、同4位のニュージーランド、同5位のオーストラリア、同13位のベルギーと対戦する。日本の女子W杯最高成績は06年の5位。20年東京五輪に向けて強化を図るさくらジャパンは、上位国撃破で初の表彰台を狙う。

 準備は整った。

 ホッケーのW杯は4年に1度開催されるビッグイベント。「さくらジャパン」のメンバーは先月23日に欧州入りし、最終調整に入っている。前哨戦となった「オランダ4カ国大会」(6月26〜30日、ブレダ)で好感触を得た。世界ランキング8位の中国との初戦では第1Q11分、08年北京と16年リオデジャネイロ五輪代表のDF小野真由美(SOMPOケア)が敵陣23メートルでボールをもらってサークル内に打ち込み、相手DFが大きく弾いたところをMF真野由佳梨(ソニー)からFW山田明季(コカ・コーラ)とつないで先制。その後も着実に加点し、3―1で勝利した。積極的なプレスでボールを奪って攻撃に転じる日本のスタイルが機能した。世界11位のスペインとの第2戦では永井友理(ソニー)、加藤彰子(コカ・コーラ)のFWコンビが計3得点を挙げて2連勝。第3戦と決勝戦は世界1位のオランダに連敗したものの、W杯へ弾みをつける準優勝となった。

 開催国枠で20年東京五輪出場が決まっている。昨年5月、リオ五輪でカナダ男子代表監督としてチームを初出場に導いたオーストラリア人のアンソニー・ファリー氏がヘッドコーチに就任。同氏は「高い位置でプレッシャーをかけるホッケーを目指す」との方針を掲げる。年間35試合の国際試合を計画し、海外遠征を繰り返す中で、日本の武器である走力やスタミナを生かした、積極的な守りから素早い攻撃を仕掛けるスタイルは徐々に浸透。DF内藤夏紀主将(ソニー)は「今まではリスクばかりを考えてしまったが、自信を持ってハイプレッシャーで戦えている」と新たなスタイルに手応えを得ている。指揮官も「1年で土台を作ることができた」と胸を張る。

 チームには大きなバックアップもある。損害保険ジャパン日本興亜が昨秋、日本ホッケー協会とトップパートナー契約(ダイヤモンド)を締結。今大会でも、メダル獲得ボーナス1000万円の支給を約束され、選手のモチベーションは高まっている。

 今大会でD組の「さくらジャパン」はニュージーランド、オーストラリア、ベルギーと総当たりのリーグ戦を行い、まずは決勝トーナメント準々決勝に直接進めるトップ通過を狙う。その先に目指すのは初の表彰台だ。内藤主将は「目標は金メダル。日本らしいホッケーをすれば、必ず勝てると信じている」と力強く誓った。

 ≪永井姉妹のホットライン注目≫「さくらジャパン」には個性あふれるメンバーがそろう。永井姉妹はリオデジャネイロ五輪にも出場した攻撃の中心選手。FWの姉・友理は「今の日本は元気のあるチームだと思う。妹やMF、DF陣のパスからゴールを決めたい」と言えば、MFの妹・葉月(ソニー)は「パスワークに注目してほしい。私のパスから姉が点を取れるようにしたい」と姉妹のホットラインに自信を示した。狩野(かりの)真美(南都銀行)は期待の若手FWだ。1メートル68の長身で、長い手足と50メートル6秒9のスピードが武器。高校時代から代表候補に呼ばれていた22歳は昨年から代表に定着した。リオ五輪に出場したFW河村元美と同じ年で「同期の活躍が刺激になった。もっとうまくなりたい」と貪欲に取り組む。DF内藤は主将としてチームを引っ張る。サッカー日本代表の主将を務めた長谷部誠が憧れの存在で「長谷部選手のキャプテンシーについて勉強している。W杯で歴史的勝利を収めたサッカーのようにいい結果を報告したい」と刺激を受けている。

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