御嶽海 初V王手消えた…行司差し違え、高安に試練の初黒星

[ 2018年7月20日 05:30 ]

大相撲名古屋場所12日目 ( 2018年7月19日    ドルフィンズアリーナ )

土俵際で御嶽海(手前)の足が先に着き、高安が白星を挙げる(撮影・椎名 航)
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 優勝争いのトップを走る関脇・御嶽海が初黒星を喫した。カド番大関の高安戦は攻め込みながら土俵際で突き落としを食らい、物言いの末に行司軍配差し違えで敗れた。連勝は止まったが、2敗で追っていた平幕の栃煌山、朝乃山がともに敗れたため、後続との2差は変わらず。3敗は大関・豪栄道、平幕の豊山、栃煌山、朝乃山の4人となった。13日目に3敗同士の対戦があるため、優勝決定は14日目以降となった。

 行司軍配差し違えで初黒星を喫した御嶽海は、今場所初めて入った東の支度部屋で悔しさをあらわにした。風呂から戻ると報道陣に背中を向けて、まげを直した。その間、質問には一切答えなかった。これまでにはなかった光景だ。浴衣を着て帰路に就く頃には気持ちが落ち着いたのか、ようやく口を開いた。

 「いいクールダウンでしょ」。初黒星をプラスに受け止めるような言葉を発しながら「大関相手でも勝たないと意味がないでしょ」と言い切った。それほどまでに高安戦は惜しい一番だった。

 高安の激しい当たりにも後退せず、右おっつけから右上手を取って食い下がった。出し投げを放つと相手は1回転。そこで一気に出たが、土俵際で突き落としを食らった。ほぼ同時に土俵外に出たように見えたが、審判団の協議の末、高安の勝利。阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は場内アナウンスで「高安の(足の)指が残っており」と説明した。御嶽海は「しょうがないよ」と自分に言い聞かせるように話した。

 取組前には2敗だった平幕2人が敗れた。高安戦の連敗を6で止めれば、13日目に初優勝が決まる可能性があったが、それは14日目以降に持ち越しとなった。有利な状況は変わらないが、八角理事長(元横綱・北勝海)は「この一番が精神的にどう出るか。負けるといろいろ考えるから。これからが苦しいんじゃないか」と指摘した。

 13日目は3敗に踏みとどまっている大関・豪栄道戦。敗れれば1差に縮まり、雲行きは怪しくなる。連勝中に「失速しないように」と話していた男が、今場所最後の上位戦で試練を迎える。

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2018年7月20日のニュース