スロープ女子強風の中での強行に不満噴出「くじ引きみたいなものだった」

[ 2018年2月12日 19:11 ]

女子スロープスタイル決勝を終え、涙ぐむ鬼塚雅
Photo By 共同

 スノーボード・スロープスタイル女子決勝は見ている側にも危険を感じさせる強風の中で強行された。11日に強風で予選が中止となり、12日の決勝も風の影響で1時間15分遅れで始まった。

 渦巻く風が前夜に降った雪を舞い上がらせ、時には視界が利かなくなるほどだった。ただでさえ難しいアイテムが多く、各セクションのつなぎの区間も短いために女子には難易度の高いコース。向かい風でスピードが出ず、空中に飛び出してからも不規則な風で流された。3つあるキッカーでは着地する斜面まで届かない転倒も続出し、多くの選手が自らのルーティンを完遂できなかった。

 金メダル候補だったアンナ・ガサー(オーストリア)も2回とも転倒の憂き目にあって15位。「風任せのくじ引きみたいだった。フェアなコンペとは言えない」と不満を爆発させた。「せっかくの五輪なのに、女子スノーボードの素晴らしいショーにできなかった。メダルを獲った選手たちはそれに値する。でも他にもたくさんの有力選手がいて、彼女たちには運がなかった」と語り、「中止だった昨日の方が風は弱かった。サーフィンのワールドツアーのように1週間ぐらい好天を待つ期間が必要だと思う」と疑問を提起した。エイミー・フラー(英国)も「風で横に押し流されたけど、大きなケガがなくてよかった。今日はトップライダーもベストの滑りができていなかった」と残念がった。

 そうした不満の声を受け、国際スキー連盟(FIS)は声明を発表。「選手たちにとって困難な状況だったのは理解している。FISの審判団は選手の安全性を最優先し、天候も見極めた上で競技開催は可能と判断した。何人かの選手たちが言っているような状況にはあたらない。屋外競技はさまざまな要因に適応する必要もある」と開催の判断に問題はなかったとの認識を示した。

続きを表示

2018年2月12日のニュース