羽生、超厳戒韓国入り 66年ぶり偉業へ決意「連覇したい」

[ 2018年2月12日 05:30 ]

平昌冬季五輪 フィギュアスケート男子

大勢の警官や警備員に囲まれ韓国に降り立った羽生結弦(中)
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 右足首の負傷から復活を期すフィギュアスケート男子の羽生結弦(23=ANA)が11日、練習拠点のカナダ・トロントから韓国入りした。昨年11月9日のNHK杯の公式練習以来、94日ぶりに公の場に姿を見せた五輪王者は、男子66年ぶりの連覇が懸かる個人種目(16日SP、17日フリー)に向けて強い決意を示した。

 公式服装に身を包んだ羽生はさっそうと歩いて仁川空港の到着ロビーに現れた。NHK杯の公式練習で4回転ルッツを跳んだ際に右足首をひねり、関係者の肩を借りてリンクを去ってから約3カ月。日韓約200人のファンやメディアの前で元気になった姿を見せた。

 「出られない試合もたくさんありましたし、非常にもどかしい気持ちにもなりましたが、試合の場に来られたことをうれしく思います」

 穏やかな表情を浮かべたが、ここまではぎりぎりの調整だった。当初の診断では「3、4週間で元に戻る」。だが、腱と骨にも炎症が見つかり、回復が遅れた。出場を予定していた12月の全日本選手権を欠場。氷上練習を再開したのは年が明けてから。そこから急ピッチに仕上げて何とか五輪に間に合わせた。

 最大限の回復に努めるため、現在行われている団体戦の出場を見送った。9日の男子SPはテレビで観戦。日本の宇野昌磨(トヨタ自動車)は大きなミスがなく1位となったが、他のライバルたちはジャンプのミスが続出し、不安を感じさせる仕上がりだった。「団体戦を見てきたけれど、どの選手よりも勝ちたい気持ちは強くある」。この五輪に調子を合わせてきた自信をにじませた。

 16日の男子SPまであと4日。ブライアン・オーサー・コーチによると、既に4回転ジャンプはルッツを除くトーループ、サルコー、ループの3種類を跳んでいるという。現時点ではジャンプ構成を決めておらず、「選択肢はたくさんある。周りの状況も見ながら作戦を考えたい」と語った。

 19歳でソチ五輪を制してから、ずっと五輪2連覇を目標に掲げてきた。ケガをして調整プランは大きく変更せざるを得なくなったが「自分の気持ちにウソをつかないのであれば、やっぱり2連覇したい」と言った。狙うのは48、52年を制したリチャード・バットン(米国)以来66年ぶりの男子2連覇。困難があっても、その目標に変わりはない。

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2018年2月12日のニュース