平尾誠二さん 20日で亡くなって1年 世界的名手の心を打った人柄

[ 2017年10月20日 19:39 ]

平尾誠二さん(2011年撮影)
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 高校、大学、社会人でラグビーの日本一になった、元日本代表監督、神戸製鋼ゼネラルマネジャーだった平尾誠二さん(享年53)が胆管細胞がんで亡くなり、きょう10月20日で1年になる。命日のこの日、神戸製鋼は神戸市内で練習。ニュージーランド代表28キャップのアンドリュー・エリス(33)はチームにとっての“特別な1日”を神妙な面持ちで受け止めた。

 「日本ラグビー界にとって、神戸にとって、どれだけ特別な人だったか理解している」

 2月10日に神戸市内で行われた平尾さんを偲ぶ「感謝の集い」に出席した数少ない外国人の1人だった。シーズンオフで南半球の母国に帰っていたものの、霊前に手を合わせるために海を渡った。午前10時に日本に着き、夕方には帰国便に乗るという強行軍。故人の人柄や功績を肌で知り「来日という判断は間違っていなかった」と声を大きくする。

 「どれだけ多くの人に大切に思われていたかは、訪れた人、捧げられた花の数で分かる。メンバーを見ても伝わった。亡くなった時に泣いている選手がどれだけ多かったか。多くの人にとって、特別な存在だったと思う」

 個人的にも思いがある。第2子のアーサー君(3)は日本生まれ。「その時に特別なお祝いをしてもらったんだ」。気遣いの人だった平尾さんらしい、世界的名手への心配りだ。エリスは、親の仕事の関係で幼少時代に神戸市に住んだことがある。

 「だから、来日前から神戸の輝かしい歴史も平尾さんも知っていたよ。神戸を知れば、平尾さんも知る。それはセットのようなものだから」

 名門クルセイダーズ(ニュージーランド)の名選手の心も打ったミスターラグビーの人柄。22日のトップリーグ第9節リコー戦(ノエビアスタジアム神戸)は、1周忌という意味でも重みがある試合になる。

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