スーパー中3酒井夏海 200メートル背も五輪切符王手

[ 2016年4月10日 05:30 ]

女子200M背泳ぎで決勝進出を決め、インタビューに応じる酒井夏

競泳リオデジャネイロ五輪選考会兼日本選手権第6日

(4月9日 東京辰巳国際水泳場)
 度胸満点のスーパー中学3年生、酒井夏海(スウィン南越谷)が、女子200メートル背泳ぎ準決勝を1位突破。1メートル73の上背を生かしたゆったりとしたストロークで、浮き上がりから先頭に立つと、そのまま逃げ切りフィニッシュ。2分10秒00は自己新ながら「9秒台に行けたと思ったので悔しい。0秒01でも切りたかったけど、決勝は最後のレースなのでいいレースにしたい」と高鳴る胸を押さえ切れない様子で語った。

 100メートルで中村真衣が銀、200メートルで中尾美樹が銅メダルを獲得した00年のシドニー五輪を皮切りに、女子背泳ぎは日本勢が4大会連続でメダルを獲得してきた競泳日本代表の牙城だ。しかし12年ロンドン五輪100メートル銅の寺川綾が13年に引退。中村礼子、伊藤華英らとともに一時代を築いたスイマーが現役を退くと、昨年の世界選手権での日本勢は同種目でメダルなしに終わった。

 5大会連続のメダル獲得はおろか、派遣標準記録を切っての個人代表がゼロとなる危機で、酒井の存在は救世主と言える。すでに競泳では今五輪の最年少代表になることが確定。寺川綾が憧れの選手だという14歳は「寺川さんは見た目も筋肉質。自分はまだまだなので、もっと鍛えないと」と宣言。8月の本番まであと4カ月。伸びしろはどの代表選手よりもたっぷりと残されている。

 派遣標準記録突破にはさらに1秒24タイムを詰める必要があるが、14歳の大型スイマーの底はまだまだ見えない。本人が「200は苦手意識の方が大きい」と言おうが、日本競泳界はニュースターの誕生を心待ちにしている。

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2016年4月10日のニュース