小川直也長男が高校王者!父譲りの巨体で攻めまくった

[ 2014年3月21日 05:30 ]

優勝した小川雄勢は父・直也(左)の祝福を受ける

 柔道の全国高校選手権第1日が20日、東京・日本武道館で行われ、プロレスラー・小川直也(45)の長男・小川雄勢(ゆうせい、東京・修徳高2年)が無差別級で優勝した。92年バルセロナ五輪95キロ超級銀メダリストの父親譲りの体格、柔道スタイルで全国制覇を成し遂げ、21日の団体戦では2冠奪取を狙う。

 左手で奥襟をむんずとつかみ、ぐいぐい圧力をかける。1メートル89、135キロの体格は、1メートル93、128キロだった現役時代の父をしのぐほど。その圧迫感に高校生が耐えられるはずがない。決勝の古田(奈良・天理)戦では、相手がわずか30秒で場外に出て指導を取られた。結局、指導2つで優勢勝ち。優勝候補の呼び声通り頂点に立ち、小さく右手を握り締めた。

 風貌、柔道スタイルともに、92年バルセロナ五輪95キロ超級銀メダリストの直也とうり二つ。観戦した父とは週に何度も乱取りをこなし、事あるごとにメールなどで助言をもらう。今大会前は精神面でのアドバイスを求め「思うところがあるなら勝って俺が一番強いんだと証明すればいい」と言われ吹っ切れた。3回戦の中西戦で一本を奪った支え釣り込み足も昨年、父から助言を受けて磨いてきた技。自らの経験を惜しみなく伝えている直也は、その柔道を見ながら自身の現役時代をダブらせていた。

 もう一つ、柔道時代の父譲りなのはそのコメントだ。「よかったです」「気持ちの部分ですね」「全体的にです」。修徳高の大森監督も「口が重い」というタイプとあって、口数は極めて少ない。これにはプロレスラーとして話すことの重要性を覚えた父も苦笑い。「俺はマスコミと一切話さなかったけど、もう少しリップサービスするように指導しないといけないかな」と暴走王ジュニアにふさわしい“しゃべり”の技術も今後は伝授していく考えだ。

 父が初の日本一に輝いたのは大学1年の全日本学生だったが、息子は高2で早々と日本を極めた。今後は世界での活躍も期待される東京五輪世代。まだまだ粗削りなところを残すだけに、6年後も楽しみな大器が台頭してきた。

 ◇小川 雄勢(おがわ・ゆうせい)1996年(平8)7月20日、横浜市生まれの17歳。誕生日は、父がアトランタ五輪で敗れて引退を決意した日。幼稚園からクラシックバレエを習い、小さい頃は父が柔道家だったことを知らずにいたという。柔道を始めたのは小4からで、小川道場の第1号道場生に。中2で修徳中に転校。昨年10月の東京国体では東京代表の一員として出場して3位だった。1メートル89、135キロ。

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