強化留保金問題には「ずさんと指摘されても申し開きできない」

[ 2013年3月18日 06:00 ]

柔道界の問題について語った吉村前強化担当理事

全柔連 吉村和郎・前強化担当理事に聞く

 ――どのくらいの人数が賛同していた?

 「正確な人数は分からないが、お願いしたほとんどのコーチに賛同してもらった。ただし、助成金対象となる時期が短い方もいたので、振り込みは各個人に任せていた。強要はできないたぐいのものだから。昨年11月、強化スパン終了のけじめとして返金しようとして、封筒に仕分けまでしたが、連盟内で止められた。それで、12月の強化委員会で“ありがとうございました。次につなげます”とあいさつした。異論、意見は出なかった」

 ――使用実態は?

 「海外遠征時の打ち上げ費用や、海外指導者の歓待、選手との食事代を出した指導者に対してフォローする形で出したものもあった。国内合宿先への御礼や慶弔費にも使った。全国で合宿を行い、お世話になっている人も多かったので。東日本大震災が発生した時は、強化合宿でお世話になっていた東広島の人に頼んでレトルトカレー4000食分を準備してもらって、同じように合宿でお世話になっていた岩手の釜石に送った。それには100万円ほど使った。単なる飲み会には絶対に使うな、と(コーチ陣に)通達もしてあった」

 ――実際にはいくら集まり、いくら使ったのか?

 「昨年11月までに振り込まれた金額を合計していくと、北京五輪後の4年間で約3500万円だった。その11月の時点での口座残高は約2800万円だったので、4年間で700万円くらいを使用したことになる」

 ――それを証明できるものがないのでは?

 「出納については通帳などではっきりするはず。ただ、使用した内容については領収書などが全てに対して残っておらず、収支もつけていなかった。この点は、ずさんと指摘されても申し開きできないところで反省している。私的流用は絶対ないと誓えるが、証明できないのが問題であることも認識している」

 ――助成金の目的外使用と言われている。

 「どこまでが指導を充実させるための活動か、線引きは難しい。例えば、地方合宿が長く続いたのは、このお金も利用して築いた、人間関係の結実でもあると思っている」

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2013年3月18日のニュース