全柔連理事会 自浄能力疑われる結果…創始者孫の発言で大勢

[ 2013年3月18日 21:48 ]

 不祥事続きの全日本柔道連盟(全柔連)の理事会は無風に終わった。上村春樹会長の辞任を問う声も一瞬で消え、続投が決定。誰も責任を取って辞めることはなく、現体制が継続された。全柔連の自浄能力が疑われる結果となった。

 17日には佐藤宣践副会長が「理事会で会長が辞任する可能性もある」と話したが、理事会で出ばなをくじかれた。出席者によると会の冒頭に講道館の嘉納行光名誉館長が「一枚岩でやっていきましょう」と呼び掛けたという。競技創始者の孫の発言で大勢は決まった。

 佐藤副会長は執行部の進退にも言及したが「賛同も反対もない。全員無言だった」(同副会長)。結局は上村会長の辞任を求める採決にも至らず、「ここは一致団結しよう」というムードでうやむやになり、同副会長も残ることになった。

 上村会長は「(組織改革を)きちんとできなければ私に能力がなかったということだ」と第三者委員会の提案の実行に意欲を示した。今のトップが辞任すれば混乱に拍車が掛かると考えた理事たちの間で、慎重な意見が上回ったとみられる。

 暴力問題などの対応で後手に回り続けた組織が、同じ顔ぶれで改革を断行できるのか。告発した女子15選手をサポートした山口香氏は「こういう組織だから、問題が起きたということ。一般社会では通らない」と“無責任体質”を批判した。

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2013年3月18日のニュース