左足親指捻挫も関係なし!白鵬 “無傷”6連勝

[ 2012年1月14日 06:00 ]

<大相撲初場所6日目>寄り切りで豪栄道(右)を下す白鵬

大相撲初場所6日目

(1月13日 両国国技館)
 白鵬は鋭い踏み込みから豪栄道を難なく寄り切り、6連勝とした。前日の取組で左足親指を負傷したが、その影響も感じさせずに完勝。把瑠都、琴欧洲とともに初日からの全勝を守った。稀勢の里は豪風を押し出して5勝1敗としたが、5連勝だった日馬富士は関脇・鶴竜につり出されて初黒星を喫した。全勝の3人を追う1敗は稀勢の里ら5人となった。

 “手負いの横綱”とは思えない強さだった。土俵に上がった白鵬の左足親指はテーピングでぐるぐる巻きにされていた。それでも立ち合いで鋭く当たり一瞬で得意の右四つの体勢となると、一気に走った。「流れがいい」。寄っている最中に左足が若干浮いている場面が見られたものの、持ち前のスピードと力強さで押し切った。

 前日の雅山戦で左足親指を負傷し、取組後に外傷と腫れが見られた。大関時代の06年九州場所前に同じ箇所を骨折して自身初の全休に追い込まれただけに、この日の午前中に稽古を休んで国技館内の相撲診療所に出向き、エックス線を撮った。診断は「左親指第1関節捻挫」で全治3~4日。骨には異常がなく大事には至らなかったが、診療所の宮坂敏幸所長は「古傷なので心配されていた。親指は足で一番大事な箇所。3日間はアイシングをしてくださいと伝えました」と説明。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)も「しばらくは稽古をさせない」と話した。そんな周囲の不安をよそに横綱は「きょう見た限りでは違和感はない」と断言。午後の国技館入りの際にも診療所に出向いたのも、取組前に親指を人さし指とまとめてテープで巻いて固定したのも、全ては石橋を叩いて渡るため。自身の体に細心の注意を払う気持ちは誰よりも強い。

 土俵下で見守った中村審判長(元関脇・富士桜)も「完璧だったんじゃないか」と絶賛。5年前に横綱に昇進してから1度も休場せずに優勝を重ねてきた横綱は、ケガの質問を重ねられると「そういうのはもういいから」と突っぱねた。22回目の優勝に向けて懸念材料は浮上したが、それを発奮材料に変えるのが第一人者の“底力”だ。

 ◇白鵬の左足親指骨折 大関時代の06年九州場所前、稽古場のある公園内の階段で階段上りをした際、つまずいて左足親指を石段に打ちつけた。歩いて稽古場に戻ったが、翌2日朝には患部が青く腫れ上がり、福岡市内の病院に入院して手術。左足親指骨折で全治6週間と診断され、自身2度目の休場が決定。カド番で迎えた翌年の初場所は10勝5敗だった。

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