芸能界ラブコール!小椋“美しく幕引き”

[ 2010年1月13日 06:00 ]

目に涙をためて引退会見を行う小椋久美子

 バドミントン女子ダブルスの人気ペア「オグシオ」の小椋久美子(26=三洋電機)が12日、大阪府大東市内で現役引退を表明した。08年北京五輪後、潮田玲子(26=同)とのコンビを解消し、12年ロンドン五輪を目指していたが、慢性胃炎による体調不良が長引いて引退を決断。バドミントン人気の上昇に大きく貢献した「オグ」には各方面からラブコールが起こっている。

 圧倒的な人気と確かな実力で一時代を築いた名プレーヤーが、志半ばでコートを去る。グレーのパンツスーツに身を包んだ小椋は、涙ぐみながら決断に至った理由を吐露した。
 「去年1年間、慢性的な胃炎が続いていた。ずっと体調を崩していて、つらい1年だった。“疲れたな”って気持ちが一番強くて、1回(バドミントンから)離れさせてもらいたいという気持ちでいっぱいだった」
 潮田とのペア「オグシオ」で08年北京五輪女子ダブルス5位の成績を残した後、現役続行と引退の間で揺れるパートナーよりも先に、ロンドン五輪を目指すことを表明した。08年11月の全日本総合選手権5連覇を花道に潮田とのペアを解消。だが、そこから小椋の歯車が狂った。同12月の日本リーグで三洋電機の7連覇に貢献したのを最後に離脱。右足甲、腰の故障が完治せず「何度かチームに戻ったけど、万全な状態でプレーができなかった」。昨年5月に初めて胃炎の症状を訴えると、その後は回復と再発を繰り返した。新パートナーも決まらず、09年は一度も実戦のコートに立てなかった。
 昨年10月、最初にチーム関係者に引退について相談。年明けに三重県の実家で家族にその意思を伝えた。日本協会は慰留に努めたが「悩んだ末に出した答え。今は迷いもないし、悔いもない」と小椋の意志は固かった。
 潮田には「玲ちゃん(潮田)の存在がなかったらここまでやってこられなかった。私がロンドン五輪を目指せなかった分、頑張って目指してほしい」とエールを送った。しかし、ペア解消後、池田との混合ダブルスでロンドン五輪を目指す潮田とは距離を置いている。今回も直接は伝えていない。潮田も日本協会を通じて「今はそれぞれの新しい道を歩んでいます。お互い今後の人生を精いっぱい頑張っていきたいと思っていますし、小椋選手のことも応援しています」とのコメントを発表するにとどまった。
 今後は籍を置いている三洋電機のスポーツ推進部でOLとして社業に集中する。「まずは体を治すことに専念したい。先のことは考えられない」と言う。その一方で、本音も漏れた。「体調を崩しても、つらいことがあっても、バドミントンを嫌いになったことはない。いつになるか分からないけど、どんな形でもいいからバドミントンに携わりたい」。19年間の競技人生にピリオドを打ったが、小椋を待つコートは無数にある。

 ◆小椋 久美子(おぐら・くみこ)1983年(昭58)7月5日、三重県生まれの26歳。三重・川越南小時代の8歳から姉の影響でバドミントンを始め、川越中を経て、大阪・四天王寺高を卒業。三洋電機入社1年目の02年に全日本総合選手権女子シングルスで優勝。同選手権女子ダブルスでは潮田とペアを組んで04年から5連覇。08年北京五輪女子ダブルスは準々決勝で敗退して5位。初速230キロといわれるスマッシュを武器としていた。愛称はオグッチ。1メートル71。血液型A。

続きを表示

2010年1月13日のニュース