テレビの自分がコロコロ…千代大海「現役引退」決断

[ 2010年1月13日 09:07 ]

12日、魁皇に土俵に叩きつけられた千代大海。何度もテレビで繰り返されたこのシーンで引退を決意…

千代大海と一問一答「あんな負け方は…」

 大相撲の元大関で今場所から西関脇に転落していた千代大海(33)=本名須藤龍二、大分県出身、九重部屋=が初場所4日目の13日、体力の限界を理由に引退した。
 1992年九州場所の初土俵以来、約17年の現役生活を終えた千代大海は、師匠の九重親方(元横綱千代の富士)とともに東京・両国国技館で記者会見。場所前、大関復帰の可能性がなくなる6敗の時点での引退を表明していた。だが初日からの3連敗に「正直、土俵に上がるのが怖くなった」と決断の理由を説明した。
 千代大海は突っ張りを武器に99年初場所で初優勝し、場所後に大関昇進。しかし、その後はケガや稽古不足で精彩を欠き、「いつ大関から落ちるか、常に不安があった」と振り返った。大関在位は歴代最多の65場所を数えたが、カド番も史上ワーストの14度だった。
 この日、日本相撲協会の持ち回り理事会で年寄「佐ノ山」襲名が承認され、今後は九重部屋付きの親方として後進の指導にあたる。「1人でも多くの強い力士を育てたい」と、第二の人生に向けて抱負を口にした。
 断髪式は10月2日に行う予定。

 ▼千代大海の話 実感はない。きのう(魁皇に敗れた3日目)、テレビをつけたら何十回と自分がひっくり返ったVTRを見て、ここしかないと思いました。きょうの朝、師匠には伝えた。偶然魁皇関と当たったんでしょうけど、魁皇関が(自分に対して)コメントしなかったという配慮をしてくれた思いを感じる…。(最後が)魁皇関で良かったかな。

 ▼武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)の話 やっぱり寂しいね。気合とスピードのある突き放しで、大関を65場所務めた。大変な記録だと思う。本人の経験を若い力士に教えて、千代大海みたいな力士を育ててもらいたい。

 ◆千代大海 龍二(ちよたいかい・りゅうじ=本名須藤龍二)西関脇、大分県出身、九重部屋。92年九州場所初土俵。95年名古屋場所で新十両に。97年秋場所新入幕。99年初場所で初優勝し、場所後に大関昇進。その後はケガに泣かされ、史上ワーストとなる14度目のカド番で臨んだ先場所で負け越し、今場所から関脇に転落。大関在位65場所は歴代最多。優勝3回。殊勲賞1回、敢闘賞1回、技能賞3回。得意は突っ張り、突き、押し。1メートル80、145キロ。33歳。

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2010年1月13日のニュース