申智愛 6打差圧勝!ジン・スマイル弾けた

[ 2008年11月10日 06:00 ]

「ミズノクラシック・最終日」18番、ウィニングパットを決め、ガッツポーズをする申智愛

 スポニチ主催のUSLPGAツアー、ミズノクラシック最終日は9日、三重県志摩市の近鉄賢島カンツリークラブ(6506ヤード、パー72)で最終ラウンドを行い、“ジエ・スマイル”がはじけた。単独首位で出た20歳の申智愛=シン・ジエ=(韓国)が1イーグル、4バーディー、1ボギーの67で回り、通算15アンダーで、日本ツアー2勝目を飾った。日本ツアーと兼ねて行われた米ツアーとしても、メジャーの全英女子オープン選手権に続いて2勝目。ぽっちゃりとした体形と笑顔で日本でも親しまれた若きメジャー女王は、来季の米ツアー本格参戦を宣言し、新人王を目指すことになった。

 おなじみの人懐っこい笑みが、グリーンに映えた。50センチのウイニングパットを丁寧に沈めると、申智愛は万歳し、グリーン脇のギャラリーにぺこりと頭を下げた。優勝スピーチは「ありがとうございました。お疲れさまでした」と片言の日本語で話した。ぽっちゃりとした体形と愛きょういっぱいのキャラクターを知る日本のファンから、大きな拍手で祝福された。
 3日間連続の60台。安定感とともに勝負どころでの強さは圧巻だった。「7番はポイント。そこでイーグルを取れたので勝てると思った」。同組の服部、李之ヨンと2打差で迎えた7番パー5。「2人は非常に飛ぶのでイーグルの可能性がある。ここはバーディーを取らないといけない」と気を引き締めてティーグラウンドに立った。
 2オンした服部に対して、申智愛の第2打はグリーン手前の花道。残りはピンまで15ヤード。ここで実力を見せつけた。「落としどころとラインはしっかり分かっていた」。抜群のタッチでチップインイーグル。バーディーの服部、李之ヨンを突き放し、強い逆風の9番でも1人だけパーをセーブして逃げ切った。
 15歳で母を亡くし、苦労してゴルフを続けてきた。「ゴルフは難しいので腹を立てる時もつらい時もある」というが「でも、心がけて笑っている」と明かす。今季、日本ツアー5試合目で優勝2回と2位が3回という抜群の成績。安定したゴルフの秘密は、悲劇を乗り越えた強さの裏返しでもある笑顔だった。
 ミズノクラシックは米ツアーも兼ねており、全英女子オープンに続いて米ツアーも2勝目となった。「来年は米ツアーでプレーする。頑張ってルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲りたい。朴セリやジュリ(インクスター)のような、尊敬される選手になりたい」。来季の米ツアー参戦と、新人王という大きな目標を掲げた申智愛。“ジエ・スマイル”が今度は最高峰の舞台で花開く。

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2008年11月10日のニュース