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中村俊輔氏 岡崎慎司に「感謝しかない」 今季限りで引退表明の戦友に贈る言葉

[ 2024年2月28日 05:00 ]

10年W杯南アフリカ大会のデンマーク戦で喜び合う岡崎(左)、中村俊輔氏(中央)
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 【月刊中村俊輔 2月号】22年シーズン限りで現役を引退し、現在は横浜FCのコーチを務める元日本代表MFの中村俊輔氏(45)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。2月号のテーマは、26日に今季限りでの現役引退を表明した同FW岡崎慎司(37=シントトロイデン)について。共闘した10年W杯南アフリカ大会での思い出などを振り返りつつ、親交の深い後輩をねぎらった。(取材・構成 垣内 一之)

 「感謝しかない」。事前に引退の報告を受けていた俊輔氏が、8歳下の岡崎に贈ったねぎらいの言葉は、“感謝”の二文字だった。

 「W杯前までは一緒に(先発で)出ていたけど、W杯でポジションを奪われた。その境遇が一緒だったから、(全体練習後の)自主トレでシュートをバンバン打って、それを受けてくれていたのが、楢さん(楢崎)と(川口)能活さん。あの時に1人だったら、心が折れていたかもしれない。ああいう時間は何物にも代えられないし、お金では買えないよね」

 10年W杯南アフリカ大会。予選は主軸として出場権獲得に貢献した両者だが、大会直前にともにスタメン落ちの憂き目に遭った。俊輔氏にとっては全てを懸けて挑んだ自身2度目のW杯。そんなつらい状況から救ってくれたのが、「俊さん、やりましょうよ!」と誘ってくれた岡崎らサブメンバーだったという。

 結局、W杯ではともに不完全燃焼に終わったが、転んでもただでは起きなかった。

 「自分はその後、(横浜で)リーグ優勝はできなかったけど、MVPを獲れた。オカもレスターでプレミアリーグを制した。まさかそうなると思ってその時、頑張るわけじゃないけど、何かがつながっている。メンタルが折れそうになっても、体と頭が動くような人たちが、あの時の控えメンバーにはいた。それこそ戦友みたいになるよね」

 そこから親交はさらに深まった。「常にサッカーが一番にあって、そのためにいろんなものを犠牲にできる。探求心もあるし、自分に限界をつくらないところは、自分と似ていた。オカからすると、“この人と話せば何か得られるものがある!”と思ってくれたのかな。自分がカズさん(三浦知良)と話す時と一緒だよね」。オフの食事会はいつしか恒例となり、そのたびにサッカー談議に花を咲かせたという。

 選手としてももちろん、リスペクトしていた。「オカは魂でプレーするタイプだけど、何より頭がいい。あれだけゴールを決められるのは、次に何が起きるかを予測して逆算できるから」。

 岡崎は引退後も欧州で指導者の道に進む予定という。俊輔氏は最後に「海外で残って(指導者を)やるのは、日本サッカー界にも後々、生きるだろうし、オカにとってもいいことだと思う。応援しています!」とエールを送った。 

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