×

田嶋会長 北朝鮮は「DF良かった。またアジアに強豪増えた」 なでしこの五輪切符獲得に目潤ませる 

[ 2024年2月28日 21:54 ]

パリ五輪アジア最終予選第2戦   日本2―1北朝鮮 ( 2024年2月28日    国立競技場 )

<日本・北朝鮮>ゴールを決めて喜ぶ藤野ら(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク8位)は28日、東京・国立競技場で北朝鮮(同9位)と対戦。パリ切符が懸かった大一番は、前半26分にDF高橋はな(24、三菱重工浦和)が先制ゴール、後半31分に藤野あおば(20、日テレ東京V)がチーム2点目を頭で叩きこむなど北朝鮮との激闘を制し、2大会連続6度目の五輪出場を決めた。

 前半終了間際の“山下の1ミリ”で1点リードで折り返した日本は、後半開始直後から、再び勝利への執念をむき出しにして日本ゴールに迫る北朝鮮を相手に防戦。しかし、熊谷を中心に結束した日本守備陣はゴールは許さなかった。

 後半17分には池田太監督が1枚目のカードを切り、上野真実に代えて清家貴子を投入した。北朝鮮は、同20分に一気に3選手を交代。勝利が絶対条件の両チームが激しく動きを見せた。

 同25分すぎには、交代出場の清家が右サイドを持ち前のスピードを生かし駆け上がり自らシュートを放つなど、ペースを取り戻した日本。1―0のまま迎えた後半31分、ペースを取り戻した日本は相手のクリアミスを拾った流れからショートカウンターを展開し清水がペナルティーエリア右からクロスを上げる。それを20歳の藤野あおばがヘディングで押し込み値千金の2点目を決めた。しかし、その5分後に失点し再びリードは1点となった。

 攻守が目まぐるしく変わる激しい展開を制し、最後まで1点のリードを守り抜いた日本が2―1で勝利。2大会連続6度目の五輪出場を決めた。緊迫の激闘を制した歓喜の選手たちは、試合終了のホイッスルを聞き涙を流し喜びを分かち合った。

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は「選手たちも過度なプレッシャーだったね。プレーがいつもの彼女たちじゃないとは思いましたけれども、意地だね。最後は決してなでしこがやろうとするサッカーじゃないけど、ああやって蹴って蹴って、とにかく最後時間を潰して、2-1で逃げ切るという。今日、パリの切符を取るためにだけ彼女たちがああいうプレーをしたと思っています」と評し、「プレッシャーの中で戦う辛さは見てきているので切ないね。でもパリの切符を取ったから、一新して全然違うチームになれるように努力してほしい。良かった。勝って」と目を潤ませた。

 サウジアラビア・ジッダで行われた第1戦から26日に帰国しての第2戦。短期間でのタフなスケジュールだったが「これは(相手も)同じ条件でやってきているし、良いチームでしたね」と北朝鮮を称えた。

 「我々がオーストラリアか北朝鮮かで選んだ結果だったわけだけど、この4年間、全くインターナショナルの舞台に立っていないにもかかわらず、DFラインにすごく良い選手が多かった。うちが何もできなかったじゃないですか。あれはうちの選手が調子悪いとかというよりは相手チームのDFが良かった。そういう意味では、またアジアに強豪が増えた。これから大変だけど、逆に競り合ってこそ強いチームになってくれると思う。是非、良いライバルとしてこれからも戦ってもらいたい。非常にチームも、スタッフの方とも友好的な形で我々は今日まで進めてきました」と振り返った。

 山下のスーパーセーブについてもふれ、「あれ、入ってないよね。山下の15ミリぐらい。そこは良かった。ぜひパリに向けて本当に刷新してほしいというか、チームを1グレード上げてほしい」と期待を寄せた。

続きを表示

この記事のフォト

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2024年2月28日のニュース