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堂安「真のエースになるには…」 同じG大阪アカデミー出身、左利き、強気な本田級ビッグマウス

[ 2022年11月30日 05:10 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

練習する堂安(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 逆境大好き人間は、この厳しい局面を楽しんでいた。29日の会見で日本代表MF堂安律(24)は「自分たちが招いた状況だけど、最高の状況ですね。ポジティブに捉えている」と舌なめずり。勝てば決勝トーナメント進出、負ければ1次リーグ敗退が決定。スペイン戦は途中出場が有力視されるが、好物を目の前に出されて喉が鳴らないはずがなかった。

 「真のエースになるには結果を出すしかない。その準備をするだけ。得点?もちろん」

 初戦ドイツ戦。0―1の後半途中から出場し、同30分に今大会チーム第1号となる同点弾を決めた。先発したコスタリカ戦は守備を固めた相手に持ち味を発揮しきれなかったが、「スペインは高いDFラインを設定してくると思う。僕は受け手にも出し手にもなれる。自分としてはやりやすい」と豪語。昨夏の東京五輪前哨戦でスペイン五輪代表を相手にMF久保のパスからゴール。本大会は準決勝で敗れた“無敵艦隊”に、A代表でリベンジする絶好の機会だ。

 イメージは10年W杯南アフリカ大会の本田圭佑だ。「人と比較されるのは好きじゃない」とオンリーワンを目指すレフティーも「リスペクトしている人」と一目置く存在。本田はW杯初出場となった初戦のカメルーン戦で決勝点を挙げ、第3戦デンマーク戦では無回転FK弾やアシストで岡田ジャパンを快勝に導いた。堂安が決めたドイツ戦のW杯デビュー弾は12年前の本田以来。同じG大阪アカデミー出身でJリーグからオランダを経て飛躍したのも共通、利き足も同じ。強気な発言も類似する。「分からんけど、ずうずうしい人が関西人には多いのかな。気負わずできるのは僕の良さであり、先輩たちもガンバでも教わったのかなと思う」と堂安。開幕戦でゴールを挙げ、1勝1敗の勝ち点3で第3戦を迎えるという南アフリカ大会と酷似した状況で、先輩をトレースすることを見据えている。

 ドイツ戦からコスタリカ戦後の手のひら返しの批判も耳にしている。米国の統計サイト「Five Thirty Eight」による日本の1次リーグ突破率は20%。スペインの99%や、ドイツの67%よりも格段に低い数値が算出されている。ただ、それがどうした。「批判してくれる方も喜んでくれているイメージはできている」と堂安。あのドイツ戦の興奮と感動、そしてサプライズを再現させればいい。

 ▽10年南アフリカ大会1次リーグ第3戦デンマーク戦のMF本田圭佑 3試合連続で1トップとして先発。前半17分に敵陣左エリア、ゴールまで約35メートルの位置から無回転FKを決めて先制ゴール。1点差に迫られた後半42分には巧みな切り返しでDFをかわすとGKを引きつけながら、フリーになっていたFW岡崎へパス。ダメ押しとなるチーム3点目をアシストした。日本は2勝1敗の勝ち点6で、勝ち点9のオランダに次ぐE組2位で突破を決めた。

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2022年11月30日のニュース