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ポーランド守護神 メッシも止める ウクライナ出身の妻持つGKシュチェンスニ、特別な思いで挑む

[ 2022年11月30日 05:05 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

ポーランドGKシュチェンスニ(中央)(AP)
Photo By AP

 【Today's CHECK C組】1次リーグC組で首位に立つポーランドをけん引しているのが2試合無失点のGKボイチェフ・シュチェンスニ(32)だ。

 第2戦サウジアラビア戦は獅子奮迅の活躍。前半アディショナルタイムにS・ドサリのPKを止めると、後半10分には至近距離のシュートを好セーブ。2―0の勝利に導いた。

 アーセナル、ブレントフォード、ローマを経て17年からユベントスに在籍し、セリエA制覇に貢献してきた。アーセナル時代の15年には試合後、シャワールームで喫煙し、罰金2万ポンド(約330万円)を科される不祥事を起こしたが、32歳になった現在は大人の振る舞いを見せている。

 サウジアラビア戦後のインタビューでは、「ウクライナに栄光あれ」という言葉で最後を締めくくった。

 妻はウクライナ出身の歌手で女優のマリーナ・ウチェンコ(33)。16年に結婚し、18年に長男を授かった。

 ロシアのウクライナ侵攻直後の2月26日には、インスタグラムにポーランドとウクライナの国旗とともに「私の妻はウクライナで生まれ、息子の静脈にはウクライナの血が流れている。家族の一部はウクライナにいる。ウクライナ人の苦悩や恐怖を目の当たりにすると何もなかったかのように立ち止まっているわけにはいかない」と投稿。W杯予選でのロシアとの対戦を拒否する意向を表明した。特別な思いでカタールに乗り込んできた。

 30日にはメッシ擁するアルゼンチンと対戦する。「世界最高の選手と対戦するためにW杯でプレーしている。良い結果を得るために全力を尽くす」。ポーランドの守護神は自信をにじませた。

 ◇ボイチェフ・シュチェンスニ 1990年4月18日生まれ、ポーランド・ワルシャワ出身の32歳。ワルシャワのクラブチームの下部組織で育ち、アーセナル・ユースを経て09年アーセナル加入。09~10年ブレントフォードに期限付き移籍。10年アーセナル復帰。15年からローマに期限付き移籍。17年ユベントスに完全移籍。09年ポーランド代表初選出。1メートル95、84キロ。

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2022年11月30日のニュース