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権田「シュートを止めることしか僕の存在意義はない」 前半PK与えるも神セーブ4連発でMOM

[ 2022年11月25日 05:10 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグE組   日本2―1ドイツ ( 2022年11月23日    ハリファ国際競技場 )

練習に汗を流す権田(左から2人目)ら(撮影・西海健太郎)
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 日本代表GK権田が、魂のビッグセーブ4連発で歴史的大金星を引き寄せた。前半33分に自ら与えたPKで先制を許したが、0―1の後半24分過ぎから18秒間で放たれたホフマン、ニャブリの4連続シュートを完璧にブロック。計7セーブは森保体制下では自身最多。逆転劇を演出した。悲願のW杯初出場で、マン・オブ・ザ・マッチにも選出。「枠に飛んできたシュートを止めることしか僕の存在意義はない」と胸を張った。

 大きな壁を乗り越えてたどり着いた。エリート街道を歩んできたが、ストイックな性格ゆえに、自身を追い込みすぎて15年7月に「オーバートレーニング症候群」を発症。だが、諦めなかった。同8月にリフレッシュをかね家族とイタリアを訪問。ブフォンら数々の名手を育てたエルメス・フルゴーニ氏の実家でトレーニングを積むなどし、徐々に回復した。イタリアの巨匠はドイツ戦前にもSNSで権田を激励。権田も師匠の期待にピッチで応えた。

 絶え間ない努力も実を結んだ。15年8月から都内のジムで始めた体幹を鍛える「仙腸関節トレーニング」。鳥栖時代には、沖縄キャンプ中のオフに、飛行機で日帰りでジムを訪れたこともあった。そんな地道な積み重ねで、骨盤の動かし方などが飛躍的に進化。個人トレーナーを務める元アメフト選手の河口正史氏も「動き出しが速くなり、無駄な動きもなくなった」と証言する。その速くて大きな一歩が、大金星を呼び込んだ。「普段からどの試合も100%でやるとやってきたおかげ」。メンバー入りしながら出場なしに終わった14年W杯から約8年半。日本史上最多の国際Aマッチ8連続完封記録を持つ絶対的守護神は、まだまだその歩みを止めるつもりはない。

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2022年11月25日のニュース