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オランダ無名GKの“カタールドリーム” 大会最長身2メートル3ノペルト 代表初陣セネガル戦で完封

[ 2022年11月25日 05:05 ]

FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会

セネガル戦で無得点に抑えたオランダのノペルト(撮影・小海途 良幹)
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 【Today's CHECK A組】今大会最長身2メートル3の守護神が、最大のサプライズ選手かもしれない。無名のオランダ代表GKアンドリス・ノペルトが、世界に驚きを与えたのは21日の1次リーグA組初戦セネガル戦。代表出場経験のない28歳が先発に抜てきされると、大舞台の重圧をものともせず冷静に好セーブを連発。4本の枠内シュートを全て止めるなど2―0勝利に貢献した。

 「本当に特別だ。小さい頃はこんな夢を見ていた。でも、かなうなんて思っていなかった」。試合後に本人が夢見心地で語ったのも無理はない。2年前は引退寸前だった。19年10月に膝の半月板損傷の重傷を負い、約1年間離脱。20年夏にオランダ2部ドルトレヒトをクビになり、半年間無所属だった。両親からは引退を、恋人からは警察官への転職を勧められたのは、ケガだけが理由ではない。オランダとイタリアの2部リーグを渡り歩いたものの一度も定位置を獲得できず、当時26歳で公式戦出場はキャリア通算でわずか17試合と鳴かず飛ばずだった。

 それでも「自分を信じていた」と諦めず、21年1月に控えとしてオランダ1部ゴーアヘッドに加入。1年後の今年1月に正守護神の移籍でチャンスをつかむと、わずか半年で公式戦20試合に出場し一気に頭角を現した。「代表入り?州代表の話かな」と考えてもいなかったA代表入りを果たしたのは開幕2カ月前の9月。完封デビューを飾ったセネガル戦はキャリア公式戦で通算52試合目だった。25日のエクアドル戦も先発の見込み。遅咲きの苦労人のシンデレラストーリーはまだ始まったばかりだ。

 ◇アンドリス・ノペルト 1994年4月7日生まれ、オランダ出身の28歳。地元ヘーレンフェインの下部組織出身でオランダ2部NACブレダでプロデビュー。イタリア・セリエBのフォッジャ、オランダ2部のドルトレヒトなどを経て今夏に同1部ヘーレンフェインに復帰。2メートル3、87キロ。

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2022年11月25日のニュース