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冨安ドイツ戦に間に合う!の裏にあった「冨安プロジェクト」 重症化避ける“科学的出場停止”

[ 2022年11月15日 04:50 ]

笑顔を見せる冨安(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 日本代表は13日、合流したDF冨安健洋(24=アーセナル)ら4人を加えてベースキャンプでの練習を行った。9月のドイツ遠征で途中離脱した冨安には、プレミアリーグ首位の強豪と日本協会が連携した特別な“冨安プロジェクト”が存在していたことが判明。ケガの重傷化リスクを回避したことで、20日開幕のW杯本番へ準備が整った。14日にはDF吉田麻也主将(34=シャルケ)ら7人が現地入りし、練習に合流した。

 1次リーグ初戦のドイツ戦を前に、冨安を守る特別なプロジェクトが判明した。9月のドイツ遠征では日本協会とアーセナルとの間に、冨安の疲労度次第で試合出場をストップさせるルールが存在した。

 森保ジャパンのドイツ遠征で冨安は9月23日の米国戦にフル出場。センターバックと右サイドバックとして安定したパフォーマンスを披露した。ただ、試合翌日には「クラブ事情のため」途中離脱。その理由は明かされていなかったが、昨季から度重なっていたケガの重症化を防ぐための特別措置だった。疲労度の目安となる筋硬度を測る機器で一定の数値に達した場合は休養させることになっており、アーセナルはリーグ戦でもルールを順守。W杯に万全の態勢で臨むための科学的アプローチがあった。

 13日朝にカタール入りした冨安は同日、軽めのランニングなど別メニュー調整を行った。3日の欧州リーグのチューリヒ戦で負傷した右太腿について「問題ないですし、大丈夫だと思っています」と、まず不安を一蹴。全体練習への合流時期こそ明言しなかったが、負傷度合いは軽かったとし、初戦のドイツ戦についても「(出場は)問題ないです」と力強く宣言した。

 DF中山の離脱にMF遠藤の脳振とうとアクシデントに見舞われた森保ジャパンだったが、本番に向けて、守備の大黒柱として期待される冨安の復調は明るい材料だ。「ディフェンダーですし、変な感情が入るとうまくいかないと思っている。プレミアでいつもやっている、アーセナルでやっているという自信をいい意味でもって、いつも通りにプレーしたい」。よりレベルの高い環境で成長を続ける24歳は、周囲の“鉄壁の防御”で守られ、万全の状態で世界の強豪に立ち向かう。

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2022年11月15日のニュース