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【後編】WEリーグ・岡島チェア単独インタビュー「出産、子育てを経ても継続して活動できれば」

[ 2022年5月27日 18:01 ]

インタビューを受けるWEリーグ・岡島喜久子チェア(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 日本初となるサッカー女子のプロリーグ「WEリーグ」は今月22日に初年度の全日程を終えた。コロナ禍の船出で集客に苦しんだが、14日に国立競技場で行われたINAC神戸―三菱重工浦和は1万2330人が入場するなど、潜在的な可能性も示した。初代チェアとして奮闘してきた岡島喜久子氏(64)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、初年度の総括とWEリーグが切り開く女子スポーツの新たな時代について語った。「Sponichi Annex」では完全版を前後編に分けてお伝えする。(取材・構成 古田土恵介)

 ――WEリーグが狙いを定める主なターゲット層は?
 「もちろん各クラブの地元の方々です。特に来てほしい層は小さな子どもたちですが、90分をただ見てもらうだけでは飽きてしまう。では、そういう子たちは何が楽しいかというと、打楽器に合わせて手を叩くだったり、集まった人たちとの一体感だったりします。国立競技場の試合ではスクール体験やバブルサッカー、ミニ大会などのイベントが行われました。あとプレーしていなくても、小学生や中学生は見込み客として積極的に取り込んでいきたいです」

 ――そのための施策は?
 「コロナ禍で実施のハードルは高かったですが、サッカースクールなどを通じて、参加者が長期的なリピーターになることを期待しています。また、具体案になっていませんが、海外から強豪クラブを招待したいです。今年は予算の都合で呼べないかもしれませんが、いくつかのクラブで対抗戦のようなものを開催したい。もちろん金銭面で目途がたてばバルセロナなどビッグクラブにきてほしい。サッカーにあまり興味がない人でも“見てみよう”と思えるマッチメークができれば、女子サッカーの裾野は広がります」

 ――中断期間の長さや試合数の少なさも問題点に挙がる。来季以降の展望を。
 「2年目もクラブで戦いますが、今年の7月から参入審査をします。今、手を挙げているのはセレッソ。やはりチーム数は偶数でリーグを開催したい気持ちはあります。逆に数を削ることは話題にはあがっていません。試合数に関してはプレシーズンマッチを開催する方向で調整しています。中断期間については豪雪地帯のクラブもあるので難しい問題ではあるのですが、例えば九州などキャンプ地で交流戦などをして、WEリーグ熱が冷めないようにしていけないかを考えています」

 ――他の女子スポーツとの連携は?
 「野球、ホッケー、バスケなどとは協力関係にあります。例えばシングルマザー支援など一つのテーマを決めて、全女子クラブで行うようなプロジェクトを考えています」

 ――選手が安心して出産、子育てをできる制度作りは?
 「初年度にいいお手本ができました。日テレ東京Vの岩清水選手はお子さんを連れて会場入りし、会場の一室で預かってもらいました。千葉の大滝選手は昨年11月に出産し、クラブの支援もあって2月の皇后杯決勝に出場するスピード復帰でした。これがロールモデルになり、出産後もプレーを続けたいという選手が増えるようになればうれしいですね」

 ――具体的にライフプランを描ければ、活性化につながる。
 「リーグの参入基準に“託児所を設ける”というのがあります。コロナ禍でまだできていませんが、選手だけでなく、スタッフや審判団なども子どもを連れてこられるようになってほしい。出産、子育てを経ても継続して活動できれば、日本の女子プロスポーツの可能性はもっと広がるはずです。ゆくゆくは枠を観客まで広げていきたいですね」

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2022年5月27日のニュース