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WEリーグ・岡島チェア単独インタビュー「初年度は70点」「バルサ来てほしい」「子育てでいい手本も」

[ 2022年5月27日 06:00 ]

ボールを手に笑顔を見せる岡島チェア(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 日本初となるサッカー女子のプロリーグ「WEリーグ」は今月22日に初年度の全日程を終えた。コロナ禍の船出で集客に苦しんだが、14日に国立競技場で行われたINAC神戸―三菱重工浦和は1万2330人が入場するなど、潜在的な可能性も示した。初代チェアとして奮闘してきた岡島喜久子氏(64)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じ、初年度の総括とWEリーグが切り開く女子スポーツの新たな時代について語った。

 ――初年度を終えての手応えは?
 「点数をつけると70点くらいです。残り30点は財政面。集客に予算を使った割には露出が少なく、観客増につながらなかった。一方でプレー面ではプロ化以前と比べると選手たちの走りの速さだけでなく、パスや判断が速くなった。女子日本代表の池田監督も“一番変わったのはスピードだ”と。それぞれのクラブで監督の意図やチームの色が見えるようにもなった」

 ――入場者数の平均は1560人。目標の5000人に届かなかった。
 「国立競技場では1万2330人が観戦に訪れ、4000人以上を集めた試合もいくつかありました。将来的に各クラブ1年間に1試合は1万人を目標にしてほしい。そのためにWEリーグ全体で成功体験を共有し、協力する体制を築いていければと思っています」

 ――中断期間の長さや試合数の少なさも問題点に挙がる。来季以降の展望を。
 「2年目も11クラブで戦いますが、今年7月から参入審査をします。今、手を挙げているのはセレッソ。やはりチーム数は偶数でリーグを開催したい気持ちはあります。試合数に関してはプレシーズンマッチを開催する方向で調整しています。中断期間については豪雪地帯のクラブもあるので難しい問題ですが、例えば九州などキャンプ地で交流戦などをして、WEリーグ熱が冷めないようにしていけないかを考えています」

 ――Jのように欧米の強豪クラブを呼ぶ計画は?
 「具体案になっていませんが、海外から招待したいとは思っています。今年は予算の都合で呼べないかもしれませんが、いくつかのクラブで対抗戦のようなものを開催できれば。もちろん金銭面でめどが立てばバルセロナなどビッグクラブに来てほしい。サッカーにあまり興味がない人でも“見てみよう”と思えるマッチメークができれば、女子サッカーの裾野は広がります」

 ――他の女子スポーツとの連携は?
 「野球、ホッケー、バスケなどとは協力関係にあります。例えばシングルマザー支援など一つのテーマを決めて、全女子クラブで行うようなプロジェクトを考えています」

 ――選手が安心して出産、子育てをできる制度作りは?
 「今季、いいお手本ができました。日テレ東京Vの岩清水選手はお子さんを連れて会場入りし、会場の一室で預かってもらいました。千葉の大滝選手は昨年11月に出産し、クラブの支援もあって2月の皇后杯決勝に出場するスピード復帰でした。これがロールモデルになり、出産後もプレーを続けたいという選手が増えるようになればうれしいですね」

 ◇岡島 喜久子(おかじま・きくこ)1958年(昭33)5月5日生まれ、東京都出身の64歳。中学2年時に男子サッカー部に入部。その後にFCジンナンへ入会し、79年に第1回全日本女子選手権を制覇した。同年に設立された日本女子サッカー連盟の理事に就き、84年に日本女子サッカー連盟の事務局長に就任。89年に海外転勤を機に現役を引退した。96年アトランタ五輪では女子日本代表のスカウティングをサポート。20年7月、WEリーグの初代チェア就任が決定した。

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2022年5月27日のニュース