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川崎F“勝負強い”の評価が裏目に? 谷口が連続失点の要因を指摘「目を覚まさないといけない」

[ 2022年5月27日 16:08 ]

川崎F・谷口
Photo By スポニチ

 川崎Fの日本代表DF谷口彰悟(30)が27日、オンライン取材に応じた。前節、0―4で敗れた湘南戦(25日)は出場停止。次節の京都戦(29日)で復帰を見込むキャプテンは、チームが抱える課題について語った。

 今季、4失点した試合は既に3回もある。「結構深いところ(問題)」、「まだまだ自分たちの甘さがある」とし、その原因につながっているかもしれないチームの潜在的な意識を指摘した。

 「ここ最近、悪い中でも勝つというようなゲームだったり、ゼロで抑えて簡単に負けないというような、ある種“勝負強い”ということを周りからも言われたところが少しあった。それにちょっと満足しているじゃないですけど、そういう勝ち方も全然ありだなと、このチームの人はほとんど思っていたと思う」

 「でも」と続け、「僕らはそれを目指しているチームではない」とした。

 1―0のような僅差でもしぶとく試合を制していくことは、悪いことではない。むしろいいこと。ただし、順番が違うと話す。

 「もちろんゲームの展開でそういうふうに持っていくことは大事だし、いいことですけど、最初からそれをやろうとするのは違うというのは、もう一回、目を覚まさないといけない。自分たちがどうやって勝ってきたのか、どうやって相手と差をつけてきたのか。それをやって初めてギリギリで(試合中に)判断を変えて我慢強く勝つやり方にできるようになればいいんですけど、最初からそれでいいんじゃないというのは違うと思う」

 図らずも“勝負強い”という評価の言葉によって根幹が揺らぎかけていたがゆえに、「失点をしたときに“じゃあどうするの?”となってしまったのを上から見ていて感じた」と振り返った。

 谷口の後にオンライン取材に応じた鬼木監督も声をそろえた。「我慢強く勝つというのは普通のチームじゃできないことだと僕は思っていて、すごくチームとしての成長を感じるところでもあるし、いいところではある。でも、それは今ではない。今はそこに甘えるんではなくて、どんどん進化、変化していかないといけないとき」と語った。

 湘南戦から一夜空けた26日の練習後、グラウンドには主将と指揮官の2人が小一時間、話し込む姿があった。「チームがポジティブに成長していくためにということをずっと話していた」と谷口。ざっくばらんに選手と指揮官が意見を交わし合うシーンは、チームの雰囲気や風通しの良さを物語っている。

 課題がある現状を前向きに捉える谷口は「鬼さんもよく言われていますけど“今が一番伸びる時期だ”というのは本当にその通りだなと。思うような結果になっていない時期だからこそ、一人一人が“自分が変えてやる”とか、“自分がもっとこういうことができれば”といったことに目を向けてやれる時期だと思うし、それができるようになるとチームとしての力がついてくる」と指摘。「もう一回強いフロンターレを見せるために、それぞれがどうレベルアップしていかないといけないのか、チームとしてどうやってチャンスを作り出すかというところをそろえていくタイミング。そういうことができるチャンスだと思っている」と力を込めた。踏ん張りどころでこそ成長を遂げ、3連覇に向けて進んでいく。

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2022年5月27日のニュース