×

“レスターの奇跡”再び ポゼッション重視の攻撃サッカーで快進撃!6連勝で2位

[ 2019年12月3日 09:00 ]

プレミアリーグ   レスター2―1エバートン ( 2019年12月1日 )

ケレチ・イヘアナチョの逆転ゴールに喜ぶレスターの選手たち(AP)
Photo By AP

 イングランド・プレミアリーグでレスターの快進撃が止まらない。1日は後半終了間際の決勝点でエバートンを下し、6連勝で2位を堅持した。開幕14節時点の勝ち点32は、FW岡崎慎司(33=現スペイン2部ウエスカ)らを擁し奇跡の初優勝を果たした15~16年を上回るハイペース。2月に就任したブレンダン・ロジャーズ監督(46)が築いた新スタイルの下、今季リーグ最多13得点を挙げるFWジェイミー・バーディー(32)らベテランと、伸び盛りの若手がガッチリかみ合っている。

  4季前のミラクルVをほうふつさせる劇勝だった。1―1の後半49分、途中出場のFWイヘアナチョがスルーパスを受けて決勝弾。ロジャーズ監督に選手が次々と抱きついた。アーセナルの新監督候補と報じられる指揮官は「今の仕事に集中している。非常に楽しい」と退任を否定したが、その手腕は高く評価されている。

 15~16年はラニエリ監督の下、岡崎が前線で猛プレスをかけるなど堅守速攻が武器だったが、ロジャーズ監督のスタイルは真逆。GKシュマイケルが「監督は試合をより支配しようとしている」と言うようにポゼッション重視の攻撃サッカーへと変貌させた。英BBC放送によると、開幕10試合の平均ボール保持率は15~16年の42%に対し、今季は59%。この日は69.8%とエバートンを圧倒した。

 ボールを支配しショートパスをつなぎ、最後に決めるのがFWバーディーだ。32歳エースは後半23分、右クロスから6戦連発となる同点弾を決めた。指揮官はベテランの守備負担を軽減した上で「サイドに流れるな。中央でフィニッシュに集中しろ」と助言し復活に導いた。今季13点はリーグ1位。15~16年の自己最多24点を大きく上回るペースだ。

 バーディーと33歳の守護神シュマイケルのVメンバーを攻守の柱に据えつつ、若手を積極起用する。昨季岡崎からポジションを奪った司令塔の23歳マディソンら、この日の先発6人が20代前半で先発平均年齢は25.5歳。新加入した23歳のトルコ代表DFソユンクは、移籍したDFマグワイアの穴を見事に埋めている。

 2連覇中のマンチェスターCを上回る快進撃で、首位リバプールを勝ち点8差で追走する。ロジャーズ監督は「トップ6入りという大きな挑戦に向けて、やることは山積み」と謙虚に語ったが、奇跡の再現を求めるファンの期待は高まっている。

 ▽15~16年のレスター 第23節から首位を堅持しクラブ創設132年でリーグ初制覇。23勝12分け3敗の勝ち点81、2位アーセナルに10差をつけた。前年度は14位、開幕前の優勝オッズは5001倍で「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれた。ラニエリ新監督の下、24点のバーディー、17点のマレズ(現マンチェスターC)が攻撃をけん引。マインツから加入した岡崎は36試合(先発28試合)で5得点、守備とのつなぎ役で貢献した。

続きを表示

この記事のフォト

2019年12月3日のニュース