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檀崎が同点&決勝弾!青森山田 逆転で平成最後の日本一

[ 2019年1月15日 05:30 ]

第97回全国高校サッカー選手権決勝   青森山田3―1流通経済大柏 ( 2019年1月14日    埼玉ス )

<青森山田・流通経済大柏>試合終了の瞬間、喜びを爆発させるMF檀崎(右)ら青森山田イレブン
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 決勝が行われ、22大会連続24度目の出場の青森山田が流通経大柏(千葉)に3―1で勝利し、2大会ぶり2度目の優勝を飾った。J1札幌入りが内定しているMF檀崎竜孔(3年)が0―1の前半40分と後半18分に得点を奪い逆転。2年前に決勝のピッチに立ちながら、何もできない悔しさをかみしめた背番号10は、エースの名に恥じない大活躍でチームを頂点へとけん引した。

 試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、MF檀崎の頬を涙がつたった。「青森山田での6年間は大きな支え。真っ先に両親と仲間の顔が頭の中に浮かんだ」。高校生活の集大成となる試合で、伝統校の10番は重圧の中で責務を遂行した。

 圧倒的な存在感だった。大舞台での2ゴール。2年前の決勝戦では1年生ながらピッチに立ったが、何もできずに終わった。優勝はしたものの「あの悔しさがあって、もう一回ここに戻ってくるという強い思いでやってきた」。0―1で迎えた前半40分。右サイドで抜け出したFW佐々木のクロスに走り込み左足で合わせた。1―1で迎えた後半18分には、右サイドからの折り返しを右足で決めた。「コースは見えていて、そこを狙った。冷静に打てました」。チームを苦境から救う勝ち越しゴールに、何度も両拳を突き上げた。あふれる歓喜を、興奮を抑えられなかった。

 今大会の直前に主将ではなくなった。それでも檀崎は「チームを引っ張ることに変わりはない」と自覚が増し、一回り大きくなった。背負っていた重い荷物をGK飯田に少し預けたことで、高円宮杯U―18プレミアリーグEASTの得点王は輝きを取り戻した。

 ピッチ上ではボールを必死に追う鬼気迫る姿が目立つが、普段は物静かな一面もある。会場で応援団長として声をからした浦山隼平(3年)は「本当にシャイだけど、サッカーになると切り替わる」という。前日に電話で「悔いが残らないように走り切れ」と伝えた父・寛之さん(38)は「家に帰ってくれば普通の高校生と変わらない。ここでゴールを決めるとは青森山田中に進んだ時は想像もつかなかった」と息子の成長に目を細めた。

 悔しさを味わったあの日から2年。しっかりとリベンジを果たした。「最後は笑って終われて良かった。札幌から日本代表を目指したい。開幕スタメンを狙います」。青森で培った勝者のメンタリティーを胸に、檀崎はプロのステージに飛び込む。

 ◆檀崎 竜孔(だんざき・りく)2000年(平12)5月31日生まれ、宮城県出身の18歳。青森山田中では3年時に全国中学サッカー大会で優勝。連覇に貢献し、得点王と最優秀選手に輝いた。U―18日本代表。1メートル74、63キロ。将来の夢は日本代表。

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