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寿人“ドタバタ”J新記録の158発!柴崎弾が試合後訂正

[ 2016年3月7日 05:30 ]

<名古屋・広島>笑顔でピッチをあとにする広島・佐藤(右)

 広島のFW佐藤寿人(33)が敵地の名古屋戦で前半43分に今季初ゴールを挙げ、J1歴代最多得点記録を通算158得点に更新した。磐田などで活躍した中山雅史(現JFL沼津)と5日にゴールを決めた大久保嘉人(川崎F)と通算157得点で、最多得点記録に並んでいた。試合は1―1で引き分けた。また3季ぶりにJ1に昇格した磐田は敵地で浦和を2―1と撃破。14年9月から指揮する名波浩監督(43)にとってはJ1初勝利となった。

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 泥くさいにも、ほどがある。歴史的一撃は、ゴール職人の真骨頂だった。1点を追う前半43分、MF柴崎がシュートを狙う。そのとき佐藤はコースの延長上、ゴール前にいた。「ボールが当たって、外れたら最悪だな、と」。心と体は逃げているのに、ストライカーの本能だけは残っていた。本人いわく「背中のあたり」に当たって、ゴールマウスへ。中山雅史と大久保の持つJ1最多得点記録「157」を塗り替えた瞬間だった。

 第3子となる三男が2日に誕生した背番号11のもとに駆け寄るイレブン。DF塩谷の「ゆりかご、ゆりかご!」の声でパフォーマンスも始まった。ただ、場内は柴崎の得点とアナウンス(試合後に修正)。森保監督も終了後、佐藤がインタビューを受けているのを見て初めて得点者を知ったという。それでも、エースには確信があった。

 「入った瞬間に自分のゴールだと分かった。できれば、もっと格好良く決めたかったけど…」

 苦笑いした33歳にとって、ライバルの存在は何よりのエネルギーだ。前日5日に大久保(川崎F)が通算157点目を挙げて自身に並んでいた。「あれほど、いろんな得点パターンを持っている選手はいない」と敬意を表しながら、一つだけ譲れない“こだわり”があった。

 「158点目だけは先に決めたいという意識があった。あとはヨシト(大久保)がどんどん先に行ってくれたらいい」

 常にゴール前に顔を出し、ディフェンスの死角に入るのが「寿人ウエー」。悲願の1点も、得意の形だからこそ生まれた。「勝てなかったのが残念。次の試合(12日、湘南戦)は自分の誕生日なので、勝って159点目を決めたい」。今が円熟期。ゴールへの欲求は年齢とともに増している。

 ▼広島森保一監督 (佐藤の記録に)監督としてだけでなく、かつて一緒に戦った仲間、一人の人間として、祝福したい。プロとしてどうやったら成長できるのか、若い選手はその姿勢を見てほしい。

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