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采配光ったデルボスケ監督「選手のおかげ」

[ 2010年7月13日 06:00 ]

<オランダ・スペイン>トロフィーを手にするデルボスケ監督

 【W杯決勝・スペイン1-0オランダ】前に出すぎることを嫌う温厚なデルボスケ監督は、いったんは胴上げを断ったが、再び選手に促されて宙に舞った。「とても幸せな一日になった。この優勝は23人の素晴らしい選手のおかげ」。無敵艦隊を初の世界一に導き、感慨に浸った。

 08年欧州選手権を制したアラゴネス監督の後任として08年7月に就任。「エル・サビオ(賢者)」と呼ばれた前任者は選手にカツを入れて奮起させてきたが、デルボスケ監督は正反対の手法を取っている。シャビが「選手と会話しながらモチベーションを高めていくタイプ」と言うように、それぞれが気分よくプレーできる環境をつくり、個性豊かな集団をまとめてきた。99年から4季にわたって指揮を執ったRマドリードでリーグ戦と欧州CLを2度ずつ制覇したように、スター選手の掌握術は最も得意とするところだった。
 今大会は的確な選手交代も光った。この日も途中から起用したヘスス・ナバス、セスク・ファブレガス、フェルナンド・トーレスがイニエスタの決勝ゴールに絡んだ。「今回の優勝は08年に成し遂げたことから来ている。よい遺産があり、遺産に敬意を払いたい」。就任後は31勝2敗と圧倒的な勝率を誇りながら、59歳の指揮官はどこまでも謙虚だった。

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2010年7月13日のニュース